これでも神試合~EURO2024 グループステージ1巡目 トルコvsジョージア~

 

 マジで燃える試合でしたね。

 

 欧州サッカーファンならどうしても注目せざるを得ないジョージアと、地味ながらユルディズ、ギュレルというトッププロスペクト2枚を新しく手札に加えたトルコの試合。……正直注目度で言うとあれなのですが、それでも見た我々は確実に勝ち組だったと言える神試合でした。

 

 前半の前半は前評判で勝るトルコがボールを握る展開。ジョージアはパッションこそ申し分なかったのですが、みたところ守備がセットもプレッシングもトランジションもなかなか怪しげ。うまく跳ね返せない時間帯に1点を失ってしまいました。

 

 一方で失点直後あたりからジョージアもポゼッションして戦う時間が増え始める。ジョージアの選手は全員なんというか球離れが良く、いい時にはポンポンとボールがつながるなかなか面白いチームでした。

 勝手に、ママルダシュヴィリとクヴァラツヘリアという、ひとりでなんとかできるポジションにワールドタレントがいる優位性*1を生かしてシンプルに戦うチームと思っていたのだが、そうではなく、……逆に、これがいいことなのか悪いことなのかわからないが、大エースであるクヴァラツヘリアにたいして、なんだコイツ、球離れわるいな、と思っちゃうような全体のリズムである。そしてそんなパスワークからジョージアも1点を返す。

 

 そのあと、ジョージアは後半開始時にクヴァラツヘリアのポジションを攻め残りからだいぶ守備的なものに変更。スペースを減らして、同点の時間を長くしつつ隙があれば攻め込むというのを狙っていくことに。これがけっこうトルコに刺さっていたと思うんですよね。

 ただ、そういった策ですべてが終わらないのがこのサッカーという競技の面白さ。ボールがあいまいになったタイミングで上手く引き取ったギュレルが、天才という評価にたがわないスーパー巻きシュートを突きさしてトルコがリードに。

 

 結果的にはこれが、「心技体すべてで食い下がってきたジョージアを、一人の若い天才が絶対止められない軌道のシュートで突き放した」という形になる。

 

 そのあともジョージアは自分たちの力を信じて攻め続け、チャンスをたくさんつくるのですが、一歩及ばず。最後にGKまであがったコーナーキックの掛け金を支払う形で無人のゴールに3点目を流し込まれて終戦となりました。

 

 とにかく綱引き、試合展開のあやがたくさんあったゲームだった…😱。ここまで見た試合では一番のベストバウトと言っていいんじゃないでしょうか。

 

 気になった選手はトルコの左SBカディオグル選手。どうも調べてみたらアーセナルへの噂があるらしいですね。前半は相手の守備の形もあり、ボールをもって目立ちやすいポジションにいたのですが、中でも外でもプレー出来て、周りを生かしつつ自分の仕事もできる、ポゼッションスタイルに非常に良く合う選手なのではないかと思った。今回の1点目も彼のポケット奪取からでしたね。

 

 もう一人はジョージアの得点を決めたミカウタゼ選手。シュート上手かったし、ゴール前にぴったりのタイミングで入ってくるフィニッシャー力を見せつけていた。またシュートを打つ一個前のプレーをしたときも悪くない動きをしていて、めっちゃいい選手だなと思いました。

*1:左SBに集中しているスコットランドとは真逆である。