不運をなんとか跳ね返し~23-24EPL第30節 トッテナム・ホットスパーvsルートン・タウン~

 

 僕の愛してやまないトッテナム・ホットスパー(通称スパーズ)は、プレミアリーグの財務規則をめぐる泥沼の争いに(当事者じゃないのに)翻弄されて、降格を免れるには何点勝ち点を取ればいいのかよくわからない状況にいるルートン・タウンをホームで迎え撃つ。

 試合開始直後にファーをフリーにするといういつもの形でぬるっと失点して頭を抱えたが、まあとはいえ、ルートンも鉄壁という感じのチームではなし。やってれば2~3点は返せるだろと思ったが、それがけっこう甘い目論見で、見ていて苦しい時間帯が多かった。運気も相手に渡っていて、ふだんなら入っていてもおかしくないシュートがことごとく入らなかったり……、と大変でした。

 

 結果としては、交代選手をうまくマネジメントしつつ、なんとか2点返してノルマ達成。えっちらおっちら感はすごいけど、シーズン終了まではこうして進んでいくしかないですね……。

 

ヴィカーリオ

 そんなに機会は多くなかったけど、ジョーダン・クラークのシュートの場面とか、重要なセーブは光ってましたね。というか、うちにもちょっと前に期待の若手のクラークがいたような気がするが、彼は元気でやっているのだろうか……。

 

ドラグシン

 解説者の注目を集めた男。左でボールコントロールしないため、彼にボールが渡ったタイミングで向こうのプレッシングが起動するという、いわば「狙いどころ」になっていた。

 前半の間はちょっと下がった位置からスタートして走りながらパスを受けてみたり、左に開いて内に絞ったウドギとの間にコースをつくったり、いろいろ工夫はしていたが、どの工夫もそれなりのデメリットはあるのでやはり厳しい。ロメロも途中「お前ええ加減に左にコントロールせい」みたいな弾道のパスをよこしていたのが印象的でしたね。

 

 後半からはチーム全体で課題が共有され、ビスマまたはウドジェと3人気味のラインを作ることも増えてそれから後ろでの回しは安定したように思う。

 ただ、ボールの扱い全体が下手ということではなく、普通に右で扱えるときの持ち運びだったり判断だったりクイックなプレーは、むしろその辺に自信があるCBのプレーぶりだと思うんですよね。だからファン・デ・フェンの代わりをやっているのはあくまでスクランブルで、本来はロメロとポジションを争う選手なのだということなのでしょう。

 でもあくまでスクランブルなのだったら、ベン・デイビスを使ってみるのもありだと思っちゃうんだよな。とくに今夜のようなボールを保持する時間が長い試合では。

 

ブレナン・ジョンソン

 さすがにGOATでしたね。クルセフスキが調子を落としている気もするが、そのタイミングでこんな選手を使えるの僥倖すぎる。

 

ヴェルナー

 ヴェルナーが触らなかったらシュートが入ったのまだ面白い。自分では蹴らないことで運命を逆手に取り、チームに勝利をもたらすのさすがはぬか喜びストライカ*1 界のトップランナーという感じがある。