「吸血鬼」の弱点「良設定」度ランキングTOP8! 1位は「招かれないと家に入ることができない」

 

 吸血鬼はとても強力な存在ですが、いくつか弱点もあるということをご存じでしょうか。「日の光をあびると灰になる」「十字架が苦手」といったメジャーなものもあれば、「流れている水が苦手」といったあまり出てこないものもある。

 

 今回はそんな「吸血鬼の弱点」のなかから、個人的に「良設定だな…泣」と思うものをランキング形式で発表していきます。

 

 

3位 鏡に姿が写らない

 これ良いですよね。視覚的にインパクトが大きいのもあるし、逆に映像作品だとさりげなく画面の端っこに出して伏線のように使うこともできる。

 日常系ほのぼの吸血鬼では、「服のセンスが変」「寝癖がついている→周りの人がなおしてあげる」というような萌え展開にスムーズにつなげることができるのも良い。自分の罪業やアイデンティティを理解できない、ということの暗喩として描くのもあり。間違いなく神設定と言っていいのではないでしょうか。

 

 バトルもので、うまく舞台を整えて「鏡に姿が写らない」ことを生かして奇襲→戦闘に勝つ、といった流れも見たことがあって、それも美しかった。ややマイナー寄りではあるが、汎用性の高いすばらしい弱点設定(弱点でもあるし長所にもなりうる)である。

 

2位 太陽に当たると灰になる

 基本的に素の人間が吸血鬼と対峙する場合にはこれを使うことになる、という設定である。非常にメジャーな設定*1で、ほとんどの吸血鬼作品に採用されているといってもいいのではないでしょうか。

 

 人はなぜ吸血鬼に惹かれ、さまざまな作品のモチーフになっているのか。その答えのひとつがこの設定だと思うんですよね。これがあることによって、暗がりの中で暮らす吸血鬼の人生の陰りに思いをはせ、悲劇的ででも美しくもある最期に強い印象を受ける。

 

 吸血鬼をただのモンスターではなく、よりエモーショナルなものにしている、すばらしい弱点です。

 

1位 招かれないと家に入ることができない

 まあとはいえ、基本だれが考えてもこのランキング、これが1位になるのではないでしょうか。「招かれないと家に入れない」、物語のなかでの使い勝手やパワーがすごすぎる。

 

 この設定があることによって、吸血鬼は人間を襲うまえにまず素性を偽って家に入れてもらう必要があるんですよね、これがひとつのサスペンスになる。

 一度人間たちが協力して追い出して一安心、……となるけど、子供部屋の窓をやさしい顔をした吸血鬼がノックして、「外は寒くて雨が降っているんだ。中に入れてくれないかい?」とほほ笑む。なんてシーンはわくわくしますよね。

 

 また切ない系の話でも、「何らかのすれ違いや離別があって、玄関でずっと待っている吸血鬼」という画を使える。これに僕は個人的に弱くて、出てくるたびに泣いてしまう。

 

 けっこうマイナー設定なので出てこないことも多いが、出てきた場合は確実に盛り上がりを作ってくれる。吸血鬼の最高の弱点と言っていいでしょう。

 

 というわけで、「吸血鬼」の弱点「良設定」度ランキングでした。皆さんの「吸血鬼」の弱点「良設定」度ランキングもコメント欄でぜひ教えてくださいね。

4位以下

4位 流水に弱い

 モチーフとしてはけっこうかっこいいけど、(狂犬病を連想させるのもあり)取り回しが難しいという印象。あと、マイナーすぎて納得感が薄いのもマイナスかも。

 

5位 銀製品に弱い

 悪くはないが地味。

 

6位 十字架に弱い

 陳腐。テンプレ設定のひとつなので許されているけど、漫画家が新しいモンスターを考えて弱点が「十字架」だったら、僕が編集者だったら「この人センスないな」と思う気がする。

 

7位 にんにくに弱い

 ギャグものならいいけど、真面目な作品でこれを生かしたケース見たことない。

 

8位 心臓を杭で打ち抜かれたら死ぬ

 だから何?という感じである。ほぼ正攻法じゃないですか。それができるならいくらでもほかの方法で勝てる。

*1:ただ日常物をやるときにははてしなく邪魔なので克服されていることもある。