名前とは逆にあたたかい希望を感じるYouTubeチャンネル「絶望ライン工ch」

 

 最近「絶望ライン工ch」をよく見る。名前とは逆に、見ているとあたたかい「希望」の感覚がこみあげてくるので好きです。

 

 自身のリアルライフを素材としたVlog的な動画を投稿しているチャンネルである。チャンネルのキャッチとなる画がこちらで、初めて見たときからすぐに心を奪われてしまった。畳の部屋。胡坐。上目遣いの目力と姿勢。帽子が顔につくる影。柴犬。……とても引き締まった画で、ただものではなさが伝わってくる。

 

 動作はすべておもむろで、かぶせられるナレーションもちょっと音処理がされたゆったりとした低音で、動画体験としてかなり面白い。内容というよりは雰囲気づくりですべてを成り立たせているようなチャンネルであり、だからこそクオリティが安定。安心した気持ちで再生ボタンを押すことができる。

 

冒頭には電車の映像が挿入されるという謎のこだわりが見られる。

 

 いくつか動画の例を紹介。こちらは以前勤めていた会社のおじさんに教えてもらった「寝スパ」(寝ながらスパゲティを食べること。独身ができる最高の贅沢のひとつらしい)をする動画。

 

 こちらは好きな本を紹介する動画。選ばれた本のラインナップも解釈一致感があっていいですね。基本的にはカルチャーのバックグラウンドがある方らしく、もうすこし秘文化的な感じのものを期待して見にいくとちょっと違うな…となるかもしれないので注意です。

 

 こちらの「絶望タコさん弁当」も良かったですね。この画の角度もとても最高。床に盆だけおいて食べにくそうに食べているのも面白いのだが、画の撮りかたには工夫をしている。手をかけるところとあえて改善せずにほおっておくところ、すごく考えて作られているチャンネルだと思う。

 内容としては1週間のご飯を記録する動画で、すごく人生の勉強になる。僕も本当にこんな感じで令和を生き残っていきたい。

 

 僕だけではなくコメント欄でもたくさんの人がおなじように感じていることがわかる。開き直っているかわいそうな人を見て笑う、みたいなコンテンツでは100%ないですよ。動画のクオリティに、生活の哲学に賞賛を送り、動画を通じて視聴者にも分け与えられるささやかな幸せを、しみじみと受け取るってチャンネルなんです。

 

 サブチャンネルでは音楽が投稿されている。

 

 現在の登録者は17万人。まだまだ上へ行きそうな感じがする(米津玄師くらいまで行く感じがする)ので、ちょっとピンと来た人はいまのうちから見ておくといいですよ。いい銘柄です!