Dadamattoをもっとみんな聞いて

 

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Canneto: il ritorno dei Dadamatto è una roba grossa - NERTO Zine

 

 季節の変わり目になって、家にじっと座っているだけの日でも寒いなと感じて上着を着こんだり、そうしていたら逆に熱いなと思って上着を脱いだりと、自分の体温の時間変化、……体の周期的なリズムみたいなものを意識して過ごすようになりましたね。Dadamattoというあまり知られていない、けど個人的にとても好きなバンドがある。

 

 まあまずはこういった曲を聞いてみてほしい。イタリア出身の3人組で、若干サイケなオルタナティブロックをやっている。それでいてメロディーやハーモニーはきれいめで聞きやすい感じだ。

 イタリア語版のWikipediaによると、これまでに5枚のアルバムを発表していて、2004年からはじめた活動を現在も継続している。

 

 そしてそしてこれも聞いてみて! どうも英語でいうと「Plural」と「Dimension」にあたるような語句の複合語をタイトルにしているこの曲は、その冠に恥じない多次元的な相を我々に聞かせてくれる。

 なんか音楽のことをいろいろ知ってそうなひとが、辺境から出てきたような不思議な音色のロックをやっている。そのうえで歌いあげる感も持っている。Modest Mouseとかと同じ視聴態度で聞けるんじゃないだろうか。

 

 2011年発売の3枚目のアルバムからは「William Shakespeare」も聞きがいのあるいい曲ですよ。ちょっとコスモってるリフレインのシンセサイザーの音がとても好きだし、アップテンポながらメロディー的には渋めに盛り上がっていく構成も良いと思う。

 PVは気持ち悪いが、アーティストとして目指しているビジュアルイメージは一貫している。

 

 「被造物賛歌」、というようなおおきな意味のタイトルをつけられたこの曲も、もし時間があったら聞いてみてください。こちらはキモさは抑えめ、非常にフォークな仕上がりになっていて、メインのはねるようなメロディーはまるで歌い継がれる村歌という感じだ。

 

 そして2017年、最新のアルバムの表題曲となっているのがこれだ。キャリアのほかの曲と比べてもソフトな肌触りであるが、いろいろな工夫が凝らされている奥行きのある曲で、バンドが成熟していることを示している。

 

 ……なんかあんまりだれも聞いていないんだけど僕の考えではとてもいい曲を作っているひとたちだと思うのでもうちょっと売れてほしい。いまのところ、紹介したらみんな「いいね」っては言ってくれるんだけど。