喪章~21’シーズンJ1リーグ第31節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌~

 

 2021年10月2日に行われたガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌の試合は、おたがいにとってちょっとした節目の試合でしたね。

 ホームのガンバ大阪にとっては『30周年記念マッチ』。試合前にはクラブの新エンブレムを発表した。伝統的なものから、シンプルで展開のしやすいデザインに変えるのは世界的な流れだけど、自分のチームに来ちゃったらちょっと寂しい気もする。

 

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ガンバ大阪 新エンブレム・ロゴ発表のお知らせ | ガンバ大阪オフィシャルサイト

 

 一方札幌はクラブ創設の功労者、石屋製菓*1石水勲名誉会長の訃報を聞いたばっかりだった。新しいエンブレムを掲げたチームと、喪章を腕に撒いて戦うチーム。試合は、その文脈とはちょっとそぐわない一方的なものになった。

 

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 札幌の攻撃力……、というよりはどちらかというとガンバ大阪の足の重さのほうが目立った試合だった。とくに後ろにいるDF4名とボランチ2名が、ビルドアップ時にもネガティブトランジション時にもうまくプレーできておらず、失点に直結するミスも繰り返していた。

 「決めるところを決めれば札幌は強いんよ!」みたいにはしゃぐのはちょっと保留でもよさげな感じですね。

 

 ただそのあたりを差し引いても札幌の選手はのびのびといいプレーをしていた。ガンバは札幌のサイドアタッカーのケアはしっかりとしていたため、ボールをファイナルサードまで運んだあとの中央には比較的スペースがあったが、そこでこぼれ球に絡みながらゲームメイクをしていた駒井選手はマンオブザマッチじゃないでしょうか。シュートも、ふだんなら打ち切らないようなシチュエーションだったのを打ち切って決めていて素晴らしかった。

 

 ゴールシーンでいうと、ルーカス選手・高嶺選手も素晴らしかった。ルーカスのああいう、ペナルティエリアで何人も交わすゴールはどきどきするね。「大きすぎたかな…」となったあとにダブルタッチ決めたときは脳で快楽物質が出た。

 高嶺選手はこれまで何回かトライしていた無回転気味のミドルがようやく決まって良かったね……! とお母さんみたいな気持ちになってしまった。

 ドウグラスオリヴェイラ選手は超決定機をふかしたときに「今日は点差つけて勝ってるからいいけどふだんの試合でそれやったら犯罪だぞ……」と思ったけど、最後は憎たらしいゴール決めてくれたのでいいです。

 

 気になったのはミラン・トゥチッチ選手。ポストプレーは「まあできなくもない」程度でフィニッシュにもほとんど絡まないのだけれど、1トップとしての守備の動きは継続して行えていたのが好印象だった。

 フリックがあまりつながらないのは連携の問題だったりするのかな、もうすこしポストで目途が立ったら、2列目アタッカーを活かせる渋い、日本人好みのフォワードとしてJリーグでも長く活躍できそうなのだけれど……。

 

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*1:白い恋人などで有名。