こち亀にハマってマウントを取りたい

 

 ちょっとまえにしもふりチューブのこの回を見て衝撃を受けた。一周まわっていま「こち亀」に詳しいってかなりかっこいい、ということが示されている。世間的に有名な回*1やキャラ*2を、「まあそれもいいんだけど~」と理解を示しつつも、その場にいる多くのひとが知らないか見落としているようなマイナー傑作回やマイナー面白キャラの「ここがいいんだよね~」エピソードをひけらかすことができれば、めちゃくちゃ気持ちがいいマウントをとれるんじゃないか……?

 

 ということばかり最近は考えているので、友達がすこしずつ僕から離れていっている。

 

 というマウンター志望はしているものの、残念ながら僕はあんまりこち亀を読んだことがないし、アニメもあまり見たことがない。いま記憶をたどってみても、さくっと思い出せるのは「両さんが宝くじに当たったかなにかの回で、お金が余ってしょうがないから、下町の民家のまえにたまにある『ご自由に持っていってください』コーナーを派出所前で現金でやるんだけど、いざされるとなかなかだれもお金を持っていかない」みたいなことになるシーンだけである。

 

 ただ今年はこち亀的にはアニバーサリーイヤーらしく、かなりいいページができていた*3。ヒカキンやシルクロードのようなYouTuber、バカリズム三四郎小宮のような芸人、空知英秋麻生周一のような漫画家、……ほかにも様々なジャンルのさまざまな人物が、「個人的こち亀好きな回」を発表し、それがWeb上で見れるようになっている。さすがはこち亀、莫大な話数があるからこそできる荒業だ。

 

 それをいろいろと読んでいたのだけれど、読んでいるうちに「あ! この回知ってる! たしかに面白かったなあ」となってくるのがすごい。はっきりと記憶していなくてもしっかり人生で触れている、すごい国民的マンガだ。

 知らない回も実際読むと面白いし笑える。「暇つぶしに読む、あれば読むけど…」のマンガだと思っていたのだけど、実際そうではないっぽい。もっと深めていって、他人にマウントを取りたいものだ。

 

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 個人的に「これ知ってる!」となったのがこの回。(佐久間宣行をクリックすると読める)メタ的な表現が注目されていて、いろんな人が挙げている回なのだけど、個人的には読んだときはめっぽう子供で、メタ表現とふつうの表現に違いがあることもよくわかっていなかった。

 ただ、ここで出てくる星逃田という男に対して、「こんなに情けない人、これからの人生大丈夫なのだろうか…」と強い心配の感情を抱いて、しばらく忘れられなかったのをおぼえている。

 

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 あとはこのコマ!(ハライチ岩井をクリックすると読める、「檸檬が泣いた日」のワンシーン) この話自体は読んだことないんだけど、これ、ジャンプアルティメットスターズという昔のゲームで使われてたコマですよね!

 ジャンプアルティメットスターズでは僕はコマについているコマ紹介文を一生読んでいたので、この回のストーリーだけはなんとなく知っていた。

 

 人生も長くなってきていて、こういうふうにふとした生活のすきまから過去の記憶がよみがえってくるのが、ただただ楽しい。

*1:街中でゴルフする回とか。

*2:日暮熟睡男とか。

*3:追記:キャンペーンが終わり、いまはジャンプのトップページへのリンクになっている。