EUROぶりにサッカーを観たが、やっぱりサッカーは面白かった。
東京オリンピックの男子サッカー決勝戦はブラジルvsスペインの対決。やっているサッカーが明確で、戦いの構図がはっきりしていて面白かった。
スペインは教科書を開いたら載っているようなポゼッションサッカー。有名人ペドリもそうなのだけど、観てみたらスピメンディ、メリノというほかのミッドフィールダーも遜色ないくらいいいプレーをしていた。
一方ブラジルは4-4-2のシステムで攻撃時にはサイドMFのアイディアからサイドを切り崩していくシンプルなサッカーだった。しかし、肝となるサイドMFのアントニーとクラウジーニョが両方とも上手い。
「個人個人でみれば別にやられるシーンというのはない。でも、2対2や3対3になるときに相手はパワーアップする。でも、自分たちは変わらない。コンビネーションという一言で終わるのか、文化なのかそれはわからないが、やっぱりサッカーを知らなすぎるというか。僕らが。彼らはサッカーを知っているけど、僕らは1対1をし続けている。そこが大きな差なのかな」
サッカー好きの界隈のなかではこの田中碧選手のインタビューがちょっと話題になっていた。「2対2や3対3になるときにパワーアップするサッカー」というのがいわゆるポジショナルにプレーするというやつで、スペインがとても上手にこなす。実際僕もそういう動きが集団としてできているチームを見ると「いいなあ…」となるのだけど、そのアンチ思考として、ボールを持ったときにそれぞれのプレイヤーが(最悪キーとなるプレイヤーが)何をできるのか、というのもサッカーの重要な要素だよなと思うことも増えている。
今回、正直どちらが勝ってもおかしくなかった試合だったけど、ブラジルが優勝にふさわしかったのだとすれば、そのふさわしさはボールを持っているときのブラジルの個々の選手のクオリティに帰すのがいいのかなと思った。
印象に残ったのは決勝ゴールを決めたマウコム選手。バルセロナに一応籍だけはいたのは知っているが、こういう選手だったのね。身体能力があって、そのうえちょっと重い独特の質のキックを持っていて人を使うプレイヤーにもなれる面白い選手だと思いました。あと、ブライアン・ヒルに下半身にやられるタイプの嫌なプロフェッショナルファウルを受けてもとくにヒートアップせず冷静にしていたのが精神年齢高そうで良いなと思いました。やっぱり、精神年齢って高いほうが低いより絶対いいですからね。
そのブライアン・ヒルは今季から僕の愛してやまないスパーズの選手になるということでちょっとひいき目に見ていたけれど、1回いいシュートがあったくらいでそんなにインパクトはなかった。あと、ずっと口があいていた。
あと気になったのはリシャーリソン。正規の年齢で出場しているブラジルの選手のなかでは一番のし上がっている選手だと思うけれど、個人としてはすこし不満が残るであろうプレーで、交代するときの苦悶の表情が印象に残った。
いまいち突き抜け切れてない、というのはそうなんだけど、エバートンでも、今回の代表でも、決して悪いパフォーマンスではなかったんじゃないかって思うのでどこかでいい感じにブレイクしてほしいですね。