食欲がないとき逆に食について書かれたものを読みたい欲がありがち

 

 「連日の高強度の飲酒の結果、内臓が固形物をなにも受けつけない」というのは僕が連休の終わりになりがちな状態である。経験上ある程度食べたほうがいいというのは分かっているが、無理なときもある。

 そういうときには、代わりといってはなんだけども、食材や食べることについて書かれた文章を読みたくなる。

 

 もともと味についての感度がそこまで高くなく、それを補うように、いま食べているものをグーグルマップとかWikipediaとかアフィリエイトブログとかで調べながら、情報も同時に摂取する、みたいな癖があるのだが(なのでおかずの品数の多い弁当を買って家で食べるときとかは、そばになんらかの機器を置いて、一品ずついちいち検索しながら食べたりする)、「食べる」ができないときには「『食べる』について読む」だけでもやっておけば半分くらいの満足感があるのである。

 

 今日食べる代わりに読んでいたコンテンツをいくつか紹介したい。「オモコロブロス!」というサイトで過去連載されていた「お食い初め」シリーズは、まきのゆうきさんというライターが、これまで食べたことがなかったものを食べるというローカロリーな記事で、二日酔いの長引く日曜の夜に読むとちょうどいい気分になる。

 

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 なぜこれまでそれを食べたことがなかったのか、理由を説明するところから始まり、粛々と食べ、だいたい「おいしい!」といって終わる。ちくちく言葉の少ない、ソフィスティケイトされたテンダーな企画だと思う。取り扱われる食品も、「それ食べたことないんだ! けどでもそういうひともいるだろうな」という感じのものが並んでいて、世界のふだんは語られない側面に気づく心地よさもある。

 

 そのあとはこれを読んでいた。1001個の食材が列挙されているちょっとしたコンセプトのある図鑑みたいなものである。こういう本をマラソンリーディングするのがけっこう好きで、昔これの小説バージョンを読んだことがあるのだが、そのときも良かった。


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 ちょっと興味を惹かれたのがこれ。「ウイトラコーチェ」という名前の食材で、その正体は病気になったトウモロコシなのだけど、メキシコではこれが収穫されると、「やったー!」となって食べるらしく、おいしいらしい。かなり抵抗感があるが、もしテーブルの上で目にする機会があったら、この抵抗感をちょっと乗り越えて、試してみたい。

 そのあとはダイヤモンド・チェーンストア・オンラインの記事をぽつぽつと見ていた。スーパーとかドラッグストアとかコンビニとかホームセンターの業界情報記事が載っているサイトで、これがけっこう面白い。

 

 身近に利用するものでありながら、いがいと業界としてどういうふうに動いているのか興味を持っていなかった、というひとも多いと思う。興味を惹かれたひとがいれば、食欲ないときやあるとき、食事中などにぱらっと読んでみてもいいんじゃないでしょうか。