短歌 35

 

雨痛し いつか終わりがくるまでの吉良吉影の平穏な日々

 

 

窓のないスクールバスに乗り込んで放浪癖のある子供たち

 

 

るね達は西へ行きます西の果て死の国があるというその西へ

 

 

未来視のせいでだいなし放課後に居残り埋める進路調査書

 

 

僕は寝た そして深夜に自らを更新してゆくノートパソコン

 

 

まぼろしにふと振り向けば町の雪 旅とはほんの一瞬のこと

 

 

僕らはここに残らなければ そしてただ風よけのための木々でありたい