パシンペロンはやぶさ

 

 お風呂に入って歯を磨いて、さあ、あとは眠るだけ、となったあとYouTubeで心霊動画を探して見てから眠る、という毎晩の習慣があるのだが、それをしているときにおすすめ動画で流れてきたのがこれだ。

 

 東海オンエア(初見だったので調べてみたところ、ヒカキン、はじめ社長クラスの大物YouTuberらしい)という人たちと、オーラ鑑定人・タロティスト・ダウザー協会会長という3名の超能力者がかくれんぼで対決する。舞台は中部国際空港(!)、……1時間近くの大型バラエティー動画である。

 見つけた日は寝たが、翌日気になって検索して再生してみたのですが、……なんというか面白かった。

 

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  撮影の空間に満ちている微妙な緊張感が伝わってくる、バラエティ動画としては胃がきりっとしてしまうような仕上がりだ。「私に似ているオーラは、あなた」というような趣旨のことを霊能者に言われ、YouTuberのひとりが「僕、スピってます?」と返してしまったときには、空気が凍り付くのを感じた。

 いくら馬鹿にしていても、本職のスピリチュアルのひとに「スピってます?」って言っちゃだめだろ。


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 緊張感はタロット界のカズレーザーが登場するころにはMAXに達する。超能力者とYouTuber、どちらも好きなことをして生きていっているという共通点はあるが、やっぱり、一緒にしてはいけない人種なのである。好きなことをして生きていっているひとと一緒に仕事ができるのは好きではないことをして生きていっているひとだけなのだ。

 

 言い訳と予防線から入る超能力者たち、最初はトークをしているけどしだいにしゃべらなくなるYouTuber、撮影中に頻発するアクシデントと押し。失敗企画だ……、見ているほうもつらい。そういう気分になりながら見ていた。

 

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 するとなんと。3人の超能力者のうち、ひとりがものすごいパフォーマンスを発揮するのだ。その活躍に引っ張られるようにして、番組の空気が、徐々に変わっていく。

 

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 救世主的な活躍をしたのが、パシンペロンはやぶささんというかたである。活躍をするだけではなく、面白かったし、話に安心感があるひとだった。最初から最後までそうで、ただものではなかったのだけど、最初のほうはこっちも色眼鏡をかけていたので全然わからなかった。

 こういうふうに日常生活でも色眼鏡をかけていてその真価がわからない、みたいな出会いをしていると思うと、もっと頑張らないとなという気持ちになる。

 

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 そのあと繰り広げられるのは、YouTuberとの白熱した試合である。「アルミホイルで自分を巻く」「カルロス・ゴーンと同じ方法」「子ども飛行機のコスプレ」といった、超能力による探知をかいくぐることを意識した多彩な方法で隠れるYouTuberを超能力者が追い詰める。

 

 パシンペロンはやぶささん、すごかったです。

 

 自身のチャンネルで語っていた撮影の裏話も良かった(そして合いの手を入れる謎の黒子おじさんもなんかよかった)。

 

 パシンペロンはやぶささんが東海オンエアのメンバーと最終的には仲良くなって、メンバーの性感帯をあててもらい、おたがいにくすぐりあう企画をサブチャンネルでやっているのも面白かった。

 フィーリングが徐々に通じ合って、おたがいを認めあう熱い展開みたいなものを動画本編でも感じていたので、こういうサブ動画はうれしい。