「戦姫絶唱シンフォギア」シリーズの3作目、「戦姫絶唱シンフォギアGX」を観ていた。あいかわらず話は混乱しているが、今回はそれに加えて、やりたいこと的にこういうふうに話を並べたい、という意図が飾らない形でそのまま出されていたので、見た目も相当悪く映ってしまったお話だったのではないだろうか。
ただまあ、そもそもそういう、構成上の上手さを重視するようなひとはこの作品のお客さんではないのでしょう。外連味のある背景事情のなかで、歌いながら戦う女の子を描きたい!というグランドデザインを、これまで通り実現した悪くないアニメになっている。
https://www.youtube.com/watch?v=CLcpO8S8tvY
そして3期に入っても雪音クリスさんはほんとうかわいいっすね……。ビジュアル面だったりキャラクター面ではかなり要素が詰め込まれていて、こういう狙いがあざといかたを好きになってしまうのは悔しいんだけどかわいい。
ただ、お話的には不遇で、2期以降は基本的にストーリーのなかで活躍する役目は与えてもらえていない。イグナイトモジュールをシンフォギア奏者たちに起動させることが敵ボスの狙いだった、ということが同時並行している風鳴翼さんのシーケンスで分かった直後に、雪音クリスさんが深海でイグナイトモジュールをまるでヒーローになったように起動するときは、こんな物語上の皮肉ばっかり背負わせてかわいそうじゃないかと思った。
ただこのかわいそうさ、というのもこのキャラの魅力として狙っているところなのだろうと思うので、4期や5期でも雪音クリスさんはあまり活躍できないのかもしれない。かなしい……。
とつぜん出てきた錬金術師というあたらしい設定にはちょっとびっくりしたけれど、敵役の自動人形たちのパーソナリティーはかっこよかった。さすがに手一杯なので掘り下げる時間はなかったみたいだったけれど、なかなかいい空気感や絡み合いをしていたので好きだった人も多いのではないか。個人的には、待機中おのおののポーズを決めて動かずに台の上で待っている感じとかが良かった。
あとは、最初の最初、K2の標高が修正されて世界3位の山になったときは(ポジティブな意味で)笑ってしまったし、最後の最後、「なぜそこで愛っ?」のところは(ネガティブな意味で)笑ってしまった。ちょっと最後でふざけちゃったな……。良くないと思います。