なにかというと僕は最近、空港についての勉強をするのにはまってるんですね。なにかふと思いついたことについて勉強するのは昔から好き。
直近に読んだ本が非常にまとまっていて、面白かったのでまずは紹介したい。航空会社だったり空港ターミナルビルだったり、空港アクセスだったり空港経営だったり、空港に関する経済的ないろいろなトピックを各章で取り上げつつ、それぞれの章で、その章の題材にあわせて、あるところでは制度史の概観、べつのところでは重力モデルなどを使って理論的に、あるいはべつのところでは実測データをつかって空港の効率性を分析したり、またべつのところではケーススタディをしたり、など、ひじょうにさまざまな方法で空港の解明に取り組んでいく研究例を示してくれていて、それが非常に面白かった。
手法の細かい説明はそこまでなかったので、経済学の素養があるともっと楽しめたかもしれない。
学んだ豆知識をいくつか共有します。知識は水であり、独占してはいけないので。
日本にある空港の数
いくつくらいだと思いますか。正解は97個。直感より2倍くらい多くなかったでしょうか?
花巻空港、大館能代空港、能登空港、小松空港、名古屋空港*1、但馬空港、石見空港、神戸空港、……などが「そんなところにあるんだ空港」のいくつかの例である。これだけ張り切って整備した結果、なんらかの空港に三時間で行ける人口は、日本の99.9%を超えているらしい。
カボタージュ
ある国の航空会社*2が他国内の国内輸送を行えるかどうか、という意味を持つ言葉である。こういう、その業界内でしか使われない、しかしその業界ではとくに説明なく自然と使われる、という立ち位置の言葉が大好きで見つけるとうれしい。ふだん使いしてみたいが、この言葉が日常生活で必要になることはないだろう。
カボタージュは政策的観点から規制するのが一般的であり、たとえば、日本の国内線には海外の航空会社は参入することはできない。EUとオーストラリア、ニュージーランドではこのカボタージュが認められているらしいが、最近は変わっている可能性はある。
空港アクセス
アクセス交通、イグレス交通という言葉がある。交通手段を複数利用して移動する場合に、メインの交通手段へ向かうときの交通をアクセス交通、メインの交通手段を折りてさらに目的地へ行くときの交通をイグレス交通と呼ぶらしい。最寄り駅まで自転車で行って出勤する場合はアクセス交通は自転車、イグレス交通は徒歩、ということになる。これは日常でも使えるし、ちょうどぴったりの言葉がふだんのボキャブラリーにない概念でもあるので、どんどん使っていきたい。
市街地から離れた場所にあることの多い空港では、市場分析の際にアクセス交通とイグレス交通を考慮に入れるのが一般的である。いろいろな事実のうちひとつだけ、クイズ形式でひとつだけ紹介したい。
鉄道でアクセスできる空港は日本に11空港ある。そのうち一つを除き、アクセス交通*3の上位2位以内のシェアは鉄道が占めている。(鉄道で行ける空港のほとんどは、鉄道で行く人が上位2位以内の多さである)では、例外となっているひとつの空港とはどこでしょうか?
答え:那覇空港