カラオケで歌う曲

 

 僕は音痴*1なので、カラオケに行くのがそこまで好きではない。行くのは激酔いしていて世の中のすべてのスポットが至福の場所に見えているときだけであるが、そんなときはべつにカラオケとかじゃなくて炭鉱とかでも行ってしまうと思う。

 

 はじめて行ったカラオケのことを今でも覚えている。地元のボウリング場に併設されているカラオケで、ふだん絡みのすくない、中学でイケていたグループになぜか加わって行くことになったんだった。最初の曲(ポルノグラフィティの「Mugen」だったと思う)を歌い終わったあとに、イケてる野球部のやつに、「へえ、お前って意外とオタクっぽくない曲歌うんだね」と言われて死ぬほど安堵したことをおぼえている。

 

 そんな僕も年を重ね、それなりにカラオケのレパートリーも増えてきた。こういうことを成長というのでしょう。本来はカラオケボックスで披露すべきであるが、ここでもちょっとだけ明かしたいと思う。

 

ラブラブ・マンハッタン

 グループ魂が提供した、TOKIOの29枚目のシングル曲である。松岡昌宏が主演、宮藤官九郎*2が脚本を務めたドラマ「マンハッタン・ラブストーリー」がとても好きで、その主題歌がこの曲だった。

 曲が好きであるというところも良いんだけど、この曲はカラオケで受けがいいというのも良い。認知されてすらいない相手に片思いをする男を悲しくもコミカルに描いた歌詞は面白く、最後にきれいな落ちがついている。途中にはセリフパートもあるので、あったまってる(あるいは優しい人が多い)回ではそこでひと笑い掴むこともできる。いくつかのコミュニティでは僕といえば「ラブラブ・マンハッタン」ということになっていちゃったりして、ありがたい。

 あまりメジャーな曲ではないが、カラオケヒットソングになるポテンシャルを秘めていると思う。

 

ロックンロールは鳴りやまないっ

 僕は顔がメンタリストのDaigoに似ていると言われることが多少あるのだけど、声は神聖かまってちゃんのの子に似ていると言われることが多少ある。どちらもうれしくはないがべつに嫌なわけでもなく、たとえられてこんなニュートラルな気持ちになる人物はなかなか珍しいことではないだろうか。

 神聖かまってちゃんが思春期を直撃した世代なので、どういう態度をとるかはともかく、やっぱり神聖かまってちゃんの主要な曲はそういうタイプのひとならだいたいみんな知っているものである。知名度は申し分ないし、曲もソウルフルだし、あと、多少音程が不安定でもなんならそのほうがそれっぽいという、音痴にはありがたい曲である。

 

島人ぬ宝

 僕の地元は沖縄なのですが、地元からいっしょに上京してきた友達とカラオケに行くときの定番曲となっている。沖縄にいたころは沖縄なんてなんとも思っていなかったんだけど、やっぱり離れることで大きなものになるんですね、ふるさとっていうものは。

 この島人ぬ宝には大ネタがあり、途中まではふつうに歌うんだけど、サビに差しかかる直前で「イーヤーサーサー!!!」とエイサー掛け声を絶叫し、そのあとはサビを無視してひたすら後ろの「スィッ! スイッ! スィッ! スイッ! スィッ! スイッ! スリサーサー!!! スィッ! スイッ! スィッ! スイッ! スィッ! スイッ! イーヤーサーサー!!!」という囃子文句を叫び続けるというもので、いまのところこれをやってすべったことがない。

 自分のルーツを誇りに思うことができる、カラオケのなかでも好きな瞬間だけど。やっぱりちょっと調子に乗りすぎているかもしれない。いつもうるさくしてすみません。これを機に控えることにします。

*1:たとえば、ふたつの音を聞かされてどちらが高いか聞かれてもわからない。

*2:この曲自体の作詞もしている。