東京に来て当初は見るものすべてが刺激的で、ひまさえあれば散歩ばっかりしていたけれど、最近は気持ちがちょっと落ち着いてきた。そんな日々にふと訪れたひさびさの散歩。
出光美術館の芭蕉展に行ってきた。今年が奥の細道330年記念らしい。330年というのはにはすこし「刻んでいるな」という感覚がぬぐえないが、奥の細道ファンだとしたら10年間隔であっても待ちきれないものなのだろう。次は10年後の、340年記念展で会いましょうね。
すぐ帰る予定だった(帰って、延ばし延ばしにしていたやらないといけないことがあり、この外出もそのやらないといけないことをやるための気合入れみたいな側面が強かった)が、奥の細道パワーなのか*1、ちょっと歩きたくなってきたので、足の赴くまま付近を散歩しはじめた。
その近くには三菱一号館美術館というのがあり、そこに併設されていたミニコーナーで、昔のオフィスはどんな感じだったか?という内容の展示を見た。
パソナの向こうに常盤橋がある。このあたりは10年規模のとても大きな再開発プロジェクトが走っていて、2027年の完成後には東京で一番高いビルができるらしい。予定の高さは390m。東京タワーよりも高い高層ビル。
その裏手を行き、日本橋川を渡ると中央区だ。なんの変哲もない駐輪場のように見えるが、青い精算機の手前は撤去自転車の保管場所になっていた。囚人自転車たちは、ひとりひとりタグをつけられて、フェンスに閉じ込められていた。隣の区画でちゃんとお金を払って駐輪されているシャバの自転車たちは彼ら囚人をどのような気持ちで見ているのだろうか。
神田駅前で昼食をとって帰ることにする。メキシコ料理と表には書いてあるがメニューにはバングラディッシュ料理とインド料理も並んで記されていた。食べ終わると店主が「おいしかった?」と聞いてきたので「おいしかったです」と答えた。昔、外国人からため語で話しかけられたときに明らかに相手が目上なのについうっかり自分もため語で話しちゃうことが多くて、それはあまりかっこよくないなと自戒していたんだけど、最近はつられることなくスムーズに敬語が使えるようになってきた。
またつぎの散歩で会いましょう。
*1:いいや、違うね。帰ってやらなきゃいけないことをマジでただ全くやりたくなかっただけ。