サイゼリヤで飲むのが好き。

 

 上京して一番うれしかったことがなにか決めるのは難しいが、ふたつまでは絞れている。そのうちのひとつが、思い立ったときにサイゼリヤに行ける、ということである。(もうひとつは、思い立ったときに松屋に行ける、ということである。どちらも沖縄にはない)

 

 サイゼリヤが大好きで、しかもサイゼリヤで飲むのは本当に大好きなんだけど、なかなかまだ、サイゼリヤで飲むことに対しての抵抗感がみんな強い。なんとかサイゼリヤ飲みを普及させようと、飲み会のラインで「サイゼリヤ行きましょうよ! ねえ! 行きましょうよ!」とあるとき駄々をこねたら、その次の回からは以下のような予防線が貼られるようになってしまった。

 

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 それでもめげずに、僕が世界で最後の一人になってもサイゼリヤを好きでいたい。サイゼリヤの好きなところをいくつか挙げていきます。

 

フレッシュチーズとトマトのサラダ

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 ちょっと前まではカプレーゼというメニューがあったのですが、明らかなバランスブレイカー、これがある以上ほかのメニューを頼む意味がほとんどなくなってしまう、遊戯王で言うのなら「混沌帝龍 -終焉の使者-」、デュエルマスターズで言うのなら「無双竜機ボルバルザーク」とおなじような立ち位置であった、という理由もあったのかカプレーゼは廃止され、その下位互換のこのメニューができた。

 ちょっと水牛チーズとトマトの量が減ってしまったのだけど、それでも十分素晴らしい。チーズとトマトにちょっとだけ塩をかけて口に含むと、チーズとトマトにちょっとだけ塩をかけて口に含んだ人間に与えられる幸せをかみしめることができる。

 着席と同時にノータイムで注文(ドロー)するのがおすすめだ。

 

マグナム

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 赤or白ワイン、1500ml1080円(10月からは1100円)のこのボトルは、コスパこそ最強なものの、頼む人間にそれ相応の勇気を要求する。値段相応の味しかしないこのワインをテーブルに置いておくことは、周囲に座る家族連れやノートを広げている高校生グループに、自分がアルコールに飲まれつつある人間だということを周知させることと同義であるからである。

 もちろん、犠牲の先には報酬がある。注文時の恥ずかしさは会計のときに報われる。しかも余ったら持って帰ることもできる。初めてマグナムを注文したときに、さすがに多少残して店を出ようとしたんだけど、親切な店員さんに「これ、持ち帰りますか?」と言われて、手ぶらで来てたのに、何も考えず「はい!」と言ってしまった。結果、手ぶらで、1500mlのワインの瓶だけを片手に持って大学前の通りを歩くまずい人になってしまった。

 

フリウリ風フリコ

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 新しくできた、耳馴染みのない早口言葉のように聞こえる料理で、とってもおいしかった。鳥貴族にある、山芋の鉄板焼きのようなイメージでアテになる。味つけがシンプルな感じだったので、唐辛子をかけたりタバスコをかけたりしてもよさそうだった。おやつみたいな感覚のあるメニューで、食事のコースの中に組み込むのはなかなか難しい立ち位置なので、これは絶対にサイゼリヤ幹部がサイゼリヤでの飲みを促進させるためにメニューにぶっこんだ特殊部隊なんだと思う。

 

 みんなでサイゼリヤに行こう。