大きかったART FACTORY 城南島

 

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 これが城南島だ。埋め立てでできた人工島だが、ぱっと見ではどこからどこまでが島なのかよくわからないくらいはっきりと開発が進んでいる。最寄り駅は文学フリマなどでおなじみの流通センター駅だが、気合が入っていないと歩ける距離ではない。僕は気合が入っていたが、普通に行くときには大森駅からのバスを使うことになると思われる。

 

 地図になにやら意味深な水色のピンが刺さっていることにお気づきだろうか?

 

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 それがこちら、ART FACTORY城南島という施設である。そもそもこの城南島というのは(このあたりの人工島は大体そうで、城南島に限った話ではないが)基本的には流通と工業の地である。おそらくこの建物ももともとはおそらく東横インが持っていた工場であり、それが生まれ変わって文化振興施設になった。

 こういう、大企業が持っているアート施設というのは都内にけっこうある。大企業マネーのおかげで無料で入ることができる場合が多い。こちらも入場無料だった。

 

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 素晴らしかったのは、展示室の広さ。この日は三島喜美代という現代彫刻家の企画展をやっていて、とにかく空間をたっぷり使ったバカでかいアートを楽しむことができた。「打ち捨てられて読めない新聞などの文字」というところにオブセッションがある作家らしく、火山灰に廃新聞を押し固めたブロック状のモニュメントだったり、レンガに新聞の文字をプリントして敷き詰めたモニュメントだったりがあった。

 写真の奥にあるのは新聞の束を使って作った立体迷路で、中に入ることができた。高校のとき文化祭で教室いっぱいに段ボールでつくったお化け屋敷のことを思い出した。

 

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 それだけではなく、ほかにもいろいろな部屋があり、四階ではアートガイア展というのが開催されていた。若手の作家の家に眠っている大型の卒業制作作品をまとめて展示し、国内外のコレクターに向けて発信していこうという志の高い企画だった。こういう場所でもないと、大きい絵は展示するのも売るのも大変らしい。

 四階にはその大きな絵を搬入するための大きなクレーンがあった。

 

 ほかにも、一部のスペースはアトリエになっていて、アーティストが製作をしている現場を見学できるようになっていた。が、ちょっと気が引けてなかなか覗けなかった。もしほかにお客さんがいたらちょっとは覗いたかもしれないけれど、この日は本当に館内にお客は僕一人しかいなかった。

 

 行くのが難しい場所にあるという難点はあるが、おかげでゆっくりできる、大きい文化施設、それがART FACTORY城南島でした。