宇宙の写真の名前

 

 地球や太陽系のほかの惑星を撮った写真には、印象的な名前がついているものがけっこうあったりする。そのなかで個人的に好きなものをいくつか紹介したい。Wikipedia日本語版の記事の文章がどれも適度にエモくて、わざわざ付け足すべきことはとくになかったりもします。

 

ザ・ブルー・マーブル The Blue Marble

 ザ・ブルー・マーブル(英語:The Blue Marble)は、1972年12月7日にアポロ17号の乗組員によって、地球からおよそ4万5千キロメートル(2万8千マイル)の距離から撮影された、著名な地球の写真である。英語で「青いビー玉」を意味する。宇宙飛行士からは、地球がまるで子供が遊ぶガラスのビー玉のように見えたため、これが写真の題名となった。

 「ザ・ブルー・マーブル」は、現存する写真の中で世の中に最も広まった写真の一つである。また、宇宙飛行士が太陽を背に撮影した、完全に輝く地球を捉えた数少ない写真の一つでもある。

 

ペイル・ブルー・ドット The Pale Blue Dot

 60億キロメートル離れた位置から見ると、地球は青白い小さな点にしか見えない(右側の茶色の帯の真ん中より下の辺り)

 

 ボイジャー1号は、予定では土星を通過する頃までの作動を期待されていたが、土星を1981年に通過すると、セーガンは、この探査機に最後に地球の写真を撮影させることを提案した。彼は、その写真に写った地球はあまりに小さく科学の役には立たないが、我々の地球は宇宙の中にあるのだという視点を提供するのに有益であると指摘した。

 

地球の出 Earthrise

ボーマン:オー・マイ・ゴッド! この景色をみてくれ! ほら地球が昇ってきている。ワオ、美しいじゃないか。
アンダース:撮るのかい、予定にないよ
ボーマン:(笑いながら)ジム、カラー・フィルムはある?
アンダース:早くカラーのフィルムをわたしてくれないか…

 ちなみに月はつねに同じ面を地球に向けて回っている*1ので、普通に日の出、というときの「出」ではない。なぜ地球が「出」るのかというと、撮影した宇宙飛行士が月の周回軌道上を回っていたからなんですね。

 

太陽系家族写真 The Family Portrait

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 太陽系の家族写真を撮りたい、というのはわりとみんな思っていたことらしいが、実現はかなり難しく(太陽とほかの惑星では明るさが違いすぎてどんな露光で撮ったらいいのかわからないし、そもそも誰がどこから撮るんだよ、という問題がある)、一応太陽系家族写真と銘打たれている一枚(見てのとおりそもそも一枚ですらない)にもいろんな欠点がある。

 でもせっかく家族なのに、きれいな写真が一枚もないっていうのはさびしいような気がする。人類はそれをずっと心のどこかでさびしく思うだろうし、そのおかげで、僕らの世代ではちょっと無理だと思うけど、先の子孫の世代ではどうにかして完璧な記念写真を撮るんでしょう。

*1:これは偶然ではなく、潮汐力の関係で、条件が整えばわりとそうなるらしい