光文社はありがたかった

 

 年末から年始にかけて、Kindle Unlimitedが「2か月間99円」セールをしていたので加入してみた。

 

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 Amazon上では本が探しにくい。「読み放題」の本の質がそんなに高くない。……といった理由から、そんなにめちゃくちゃ幸せな期間かというとそうではなかったが、それなりに楽しむことができた。……光文社のおかげで!

 

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 光文社古典新訳文庫光文社新書は、けっこうなラインナップをKindle Unlimitedのライブラリにそろえていてくれたんですよね。なのでだいたい光文社の本を読んでいるってな2か月間でした。

 

 記憶に残っている本をすこし紹介していきます。

 

「私たちヒトとは、地球の生き物として、一体何をしでかした存在なのか」――あなたの身体に刻まれた「ぼろぼろの設計図」を読み解きながら、ヒトの過去・現在・未来を知る。

 動物解剖学?がバックグラウンドっぽい著者が、人間や、その祖先だったり従兄弟だったりする生き物の体のつくりを解説しながら、人間の身体に残された進化のストーリーを語っていく、といったつくりの本。

 読み物として面白く、また切り口も変わっていて、なかなか替えの利かない本だと思う。

 

天文学の歩みと、系外惑星の発見に情熱を注ぐ「プラネット・ハンター」たちの熱いドラマを交え、数々の観測法を分かりやすく紹介。地球に似た惑星は、銀河系、あるいは宇宙全体でどれくらいあるのか、地球以外にも生命は存在するのか――。21世紀を牽引する科学分野のひとつ、太陽系外惑星研究の第一人者が伝える、天文学・惑星科学の最先端。

 この絞られたテーマ設定いいですよね。とくに「観測方法」という渋テクニカルなところにけっこう文字数が割かれていてぐっと来た。大学で合計8単位くらいは必須単位に参入できる、半分研究室の勧誘活動みたいな「私たちのお仕事・分野紹介」講義を、気楽に受けていたときの知的なわくわくがよみがえってきた。

 

こんな映画、いったい誰が観に行くんだよ!?
日本映画76本、タブーなしの公開処刑!!

“観るな危険!!”の地雷映画てんこ盛り!
殺し屋稼業もラクじゃない!?

日本映画の質の凋落は止まらない。
安易なマンガ原作企画やテレビ局の介入で、
日本映画は瀕死状態。

「ダメ映画をついつい見てしまう病」にかかっている
激辛映画評論家・柳下毅一郎が、日本映画をメッタ斬り!

 Disり芸を楽しむ本で、とくに知っている映画がなくても十分面白い。逆に若干知っている映画のときは、「ここそこまでDisるところか…?」みたいな疑いが湧くこともあったので、全体的に話半分に楽しむのがいい感じです。

 最低限、評価の基準はぶれておらす、そこにちょっとした誠実さも感じる、なかなか印象のいい本でした。

 

何もさえぎるものない丘の上の新しい家。主人公はまず“風よけの木”のことを考える。家の団欒を深く静かに支えようとする意志。季節季節の自然との交流を詩情豊に描く、読売文学賞受賞の名作。

 田舎にひっこした一家の日常、……本当にただの日常を飾りのない文体で書いているだけなのだけど面白く読めて、しかも印象に残るというタイプの本。たしかに名作だった。