Mighty Heapという(おそらく)ロシア人によるプロジェクトがある。ロシア語圏の伝説的な名曲を、初音ミクのボーカルで、機械翻訳した日本語歌詞でカバーするというこれまでにこの世界にはなかった作品を世に送り出している。
ろうそくを点灯したとき 心が温まる
それってはお祝いの感じだろうか
街を遊ばれる風が僕にすぐ笑ってくる
巨大な時計 なくなるようだ
機械翻訳はたまに素晴らしい詩を作る。この日本語発ではない美しい日本語がMighty Heapのかけがえのない良さである。
原曲はSteklovataというロシアのボーイズボーカルグループで、メンバー4名のうち2名は孤児らしい。ロシア語圏のインターネットではミーム化している非常に有名な曲で、それにまつわるいろいろなエピソードがあるのだけど、ここで詳しく語る余裕はない。
どんどんいこう。リリカルなリフと叫びあげるようなサビが特徴的な「黎明に」はАльянс(英語に直すとalliance、さらに日本語に直すと「同盟」)というバンドの曲であり、おそらくロシア圏以外では全く知られていない名曲だろう。
「お人形さんにされた~」というメロディアスなサビが耳に残るこの曲は、ロシアのPanic at the Discoともいうべきゴシックロックバンドの曲をカバー元にしている。初音ミクにぴったりな曲調ですね。
こちらの曲はパンク極まりない原曲をきれいにアレンジしてこのプロジェクトの方向性を示している。原曲とはまたひとつ違った曲の良さを新しいアレンジで引き出せる、それがアーティストのひとつの力なのでしょう。
ということで僕はずっとMighty Heapを応援していたのだが、その彼らが最近このような動画を投下した。
お久しぶりです
Mighty Heapです
と、VOICE担当の結月ゆかりです
ご覧の通り、俺らは最近カバー曲をあまり出せなかった
けど、この6ヶ月間は俺らにとって非常に困難でした
ギターの浪人はやっと大学を卒業した
ベースはモスクワに引っ越し、時々メールをしてるし、
自分の店を開いたキーボード君は繁文縟礼で、時間がない
あの左利きのバカドラマーは今、風邪を引いたままこのテキストを書いている
まー、またたくさんのミスしたでしょう
でも、頑張ります
飽きるまで頑張ります
多分
エモ過ぎる。これより美しい詩(うた)、この世にないなと思いました。繁文縟礼って言葉なに? どうやって出てきたんだ。彼らの動画の日本での知名度は0なので、ぜひ、日本人の誰かに見てほしい、あわよくば流行ってほしい。ロシアになんとなく好感を持っているあなた、どうですか? すごくいいカバーしてますよ、Mighty Heapは。飽きるまで頑張ってほしい。ずっと聴くから。ありがとう、Mighty Heap。