コパ・アメリカ2019 グループステージ1巡目

 

 コパ・アメリカという、南米の国だけで争われるミニワールドカップのような大会が15日から開幕している。開催地はブラジル。南米サッカー連盟に加盟している10か国と、南米以外の地域からゆる募して集まった2か国(今回は日本とカタールが応じた)の合計12か国で争われる。一応、4年に1回開催されるということになっているが、近年の開催は2004年、2007年、2011年、2015年、2016年、そして今年2019年となっていて特に規則性は見られない。つぎの開催は2020年である。確率的に4年に1回くらい開催される、という意味なのかもしれない。

 

 コパ・アメリカを見るのは初めてだったので、どういうテンションで観戦すればいいのかよくわからなかった。世界最古の大陸選手権であり、南米ではワールドカップに匹敵する盛り上がりを見せる大会である、という話も聞いていたが、footbollistaの「倉敷保雄と考える「南米」の魅力。南米サッカーの言語化は可能か?」という記事ではコパ・アメリカは笑ってみるべきものだ、と書かれていた。

 

 僕は気難しい性格で、年に1,2回くらいしか笑わない。なので笑いながら観るのは現実的に厳しいが、どうしようか、と思いながら開幕を待っていたらその当日にインフルエンザにかかってしまった。なのでリアルタイムで追いかけることはできなかったが、それでも3試合見た。以下その感想です。

 

ブラジルvsボリビア

 国全体の酸素の薄さのゆえに、アウェーで対戦すると非常に厄介な相手だということで有名だが、平地での戦いの場合、ボリビアは弱いがわの国になる。ワールドカップでよく見た弱者たちとおなじように、ボリビアもブラジルに対して中央を圧縮したブロックを組んで戦うのかと思ったら違っていた。ブロックの外も捨てずにしっかりとチェックに行き、空いたスペースには、ほかの選手がカバーできるようなポジションをとることで対応する。ボールが落ち着かない展開を続けているうちはそこまで力の差が目立つことはなかった。

 ただ、ボリビアにはまったく攻め手がなく、その状態で長いあいだ集中を切らさずチャレンジ&カバーを続けるのも難しく……。

 

アルゼンチンvsコロンビア

 スパーズ所属の2選手がいるので楽しみにしていたけど、フォイスはスタメンではなかった。アクシデントでもないかぎりこのポジションを大会中に奪うのは難しいと思われるので、ちょっと残念。

 しかしダヴィソン・サンチェスのパフォーマンスは良かった。とくに裏に出てくるボールへの安心感ね。スアレスを背負っていても余裕をもってプレーしていた。

 

チリvs日本

 数字だけ見れば惨敗だったけど、そこまで悪い印象はなかった。なすすべもなく負けたというよりは、しっかりと戦って、結果上回られて負けた、というような。もちろんその方が選手的には得るものが多いんじゃないだろうか。日本にとってはこの大会は結果はどうでもよく、ただなるべくなら勝ちあがって一戦でも多くガチマッチの経験を積めればそれで大成功なので、この試合は理想的な結果だったようにも思う。

 試合の入りはとても良かった。多くの選手が120%の集中力を発揮しているような状態で、チリとも球際やスペースで互角に戦えていたんだけど、……その結果か35分ぐらいの集中が切れてくるタイミングで猛攻撃を受けてやられてしまった。

 中島、上田、久保は相手を1vs1で出し抜くことができていたし、前田も(ちょっと守備的なポジションをとっていた感じもあってそのせいかもだけど)あともうちょいだった。もし3バックで戦っていたら後ろに重くなって、これほど前の選手を使って攻撃的に戦うことはできなかったかもしれない。采配は評価できるんじゃないかと思う。

 ビダルは後ろに降りてボールを引き取ったり逆サイドに流れてゲームを作ったりフィニッシュに絡んだり王様としていろいろやっていたけど、でも、ビダルって王様然としていても怖くないというか、もっと専門家的に、戦士として局面で戦うことに集中しているほうが怖い選手では…? とか思ってしまった。怪我が大事でなく、またこの大会でプレーを見られることを祈る。

 

 今日、朝、すぐに2巡目が始まる。