身延山にいます。
ここは日蓮宗の聖地だが、ある程度観光地然とはしている*1。なので基本的には気楽に過ごせていたのですが、「宝物庫」という博物館的なところを見ていた*2ら、突然何百人という規模の修行服を着た人たちが通っていったのでその時はさすがに背筋が伸びた。
老若男女、なんなら髪をピンクに染めた人とかもいて、談笑しながら、でもめっちゃただ事ではない修行服みたいなのを全員着て通っていた。これが宗教共同体か…、となりました。
身延山のあとは近くにある温泉郷「下部温泉」へ。山と山に挟まれた小さな温泉郷で、けっこう長い歴史があるそう。駅前には近代的なホテルや温浴施設があるのですが、そこから奥に行き、歴史のある旅館地帯に行くとなかなかさびれていて日本の衰退を感じ*3た。ひと目でやっていないなとわかるお店がたくさんあるという感じですね。
宿も小規模なところだったのですが、これは非常にあたり。値段はかなりリーズナブルなものの、設備には古さを感じさせるところはなく、いろいろ粋な飾り物があったり。ごはんは、比較的家庭料理に近いものでしたが、質は高く、なにより品数と量がとんでもなかった。部屋も広々としていて、空調や水回りも申し分ない。Wi-Fiもありました。
そしてお風呂、ぬるめのお湯と、……プールくらいの、水風呂というほど冷たくないが風呂というような温度でもない、なんとも言えない初体験の温度の風呂があって、これがいつまでも浸かっていられて良かったんだな~……。プールにずっと浸かっているってけっこう楽しいじゃないですか、あの体験を味わえるのである。
あとおかみさんのキャラがかなり独特なのも良かった。電話予約のときとか、話しててめっちゃ不安になるんですよね。すごく話は通じるし、良い人なんだろうなってわかるんですが、話し終わったあとすごく、謎が残るんですよ。「で、このあとどうすればいいんだ?」という気分になるというか。対等に話していたはずなのに、「なんだか負けた…」と思わずにはいられないというか。
やりとりがあるたびに同行者の友人と顔を見合わせたのですが、こんな雰囲気のひとは初めて見ました。非常に面白くていいのですが、同じ職場で働くとかになるなら話は別だね…、というところで人物評は落ち着いた。旅館として利用することに不都合があったということはなかったです*4。ただただ、独特だった。
朝。朝は朝ご飯をたっぷり食べたあと、チェックアウトまですこし寝るという贅沢なものであった。なかなかよい温泉だったので、ぜひ行ってみてください。下部温泉。
当地で売っていた水はなかなかの硬さでおいしかった😋