ねこタクシー ほか

 

銀松 桃川

桃川 銀松720ml

 というお酒を飲んでいた。720mlで720円、1ml当たり一円というわかりやすい値段で*1、成分にはアルコールと糖、酸味料が追加されている。……いわゆるカップ酒であり、飲んでいて自分を大事にしている感はでないのだが、ちゃんといい感じの味になるように添加物で調整されているので、……意外と、その辺で適当に買った酒より「おいしいな」となることも多い、という印象である。

 

 代わりに個性もなくなってしまうので、このお酒を飲んだからどうこう、みたいな感想は特にないのだが、ふつうにおいしかったです。産地は青森県のおいらせ町、今度行ったときにはブランドのスタンダードな銘柄も飲んでみたいので、とりあえず、「桃川」という名前は覚えておきましょうね。

 

2023.3.13追記:

人生で初めてふぐを食べた ほか - タイドプールにとり残されて

公開されたあと、下のほうにある「関連記事」を見て知ったんですけど、この会社の別の銘柄の酒、めちゃくちゃ僕飲んでますね。しかもめちゃくちゃちょっと前に。

全然覚えてないじゃないですか。すごい口だけ人間だということがわかってしまった。

 

ねこタクシー

ねこタクシー Amazon

 というドラマを見ていました。職場でも家でも「うーん…😥」といった感じのおじさんが、猫と出会って「ねこタクシー」をはじめることで、すこしずつ変わっていく…、といったお話。

 

 「猫が出てれば数字は取れるんだよ!」というプロデューサーによる雑なヒューマンドラマだと思って*2見はじめたのだけど、そんな感じではなかった。

 起きる出来事も、出てくるキャラクターも、演技もかなり渋い。「手取り10万くらい、職場での出世も望めず、その自信もない主人公が、とりあえず家族の役に立った気になろうと、自分の担当外の『トイレ掃除』を頑張っていたら、帰ってきた娘に『そんなことしないでいいよ。気持ち悪い』と言われる」……、みたいな、地味にリアルで嫌な感じのエピソードがちりばめられている。

 

 うだつの上がらないおじさんに優しい物語ではあるのだけど、同時にこんな感じだからこの人はダメなんだろうな…、というのもキレイにすることなく描写されていて*3、意欲作だなあ、と思った。

 

役を演じた竹山は、ドラマ撮影当時は自動車の運転免許資格が無く、原付運転免許しか取得していなかった(竹山は2013年に普通自動車の運転免許を取得)。そのため通勤シーンでは自転車を使い、タクシーを運転するシーンではトレーラーでけん引されながら撮影を行った。

ねこタクシー - Wikipedia

 Wikipediaにはこういうことが書かれていた。カメラに写ってない部分にはトレーラーがあるのかあ…、と思いながら見るとちょっとウケたので、カメラで切り取られた「残り」の世界に思いをはせたい気分のときに見るのもおすすめです。

 

ラジオ・クラッキー

ラジオ・クラッキー | Podcast on Spotify

 サッカーの中継ではおなじみのアナウンサー「倉敷保雄」さんのポッドキャストを聞いていたけど面白かった。

 倉敷保雄さん、「サッカーを見るけど、実況や解説が誰なのかはあまり意識していないよ」というくらいの人でも、この人が出てきたら、「あ、またこの人だ!」と思い始める最初の人というか、それくらいわりと声や話し方に特徴がある人で、それゆえ「好き嫌いもわかれる」と言っている人もどこかで見たことがあるのだけど、個人的にはとても好きです。

 

 てきとうに1個聞いてみてほしいんですけど、この毎回あるオープニングトークとかまさにクラッキー*4って感じですよね。声も特徴的なのだけど、それ以上に、トークにテキストとしての面白さがある。

 しゃべり始めたときからトークの終わりまでが見えているような、一貫した構成を持っていて、聞いている側は「この先どうなるんだろう?」となりながら聞いていける感じ。なんだか、聞いていてカタルシスがあるんだよな。

 

*1:注ぎ中にこぼしたとき、だいたい何円くらいロスったか肌感でわかるのがありがたい値段設定である。

*2:僕も「難しいものや過度によい作品は(だるいので)観たくない。いまはただ猫を見て無心に癒されたい」と思って再生したので、メディアの思うつぼである。

*3:例えばさっきのトイレ掃除の例の場合、主人公が母父娘の3人家庭で自分がトイレ掃除の役割だけを外されている理由(ほかの場所の掃除は主人公の分担)に気づけないんだろうな…、と視聴者に思わせるような作りになっている。ほかにも、努力の方向が変だったり、変に気難しかったり、……主人公のダメさはリアルに、ギャグにすらせず真剣に描かれている。

*4:倉敷保雄氏のまたの名。