22-23シーズンFAカップ3回戦、トッテナムvsポーツマスを見た。トッテナムはリーグ戦から先発を大幅に入れ替えて、チーム全体としてのプレイ時間をコントロール。いつもどおり力を抜いた前半を過ごしたあと、後半にハリー・ケインのゴールで先制してそのまま勝利した。
ポーツマスのほうもそこまで「上のやつらを倒してやるぜ!😬」とみなぎっている感じではなかったので、まあ、順当に勝てたという感じでしょうか。
気になったのはブライアン・ヒル選手。前線のアタッカー2名を欠いている現状、次週のvsアーセナル戦でもヒル選手をスタメンで使う選択肢はあるのだが、実際どの程度戦力として計算できるのか?
前半を見た感じではトッテナムの攻撃プランは「一旦右サイドで持ったあと、すぐ後ろを経由して左に渡し、ソンかセセニョンがアタック! オプションはない」という感じ。*1
ほかに右サイドにいるのは淡白なプレーをするエメルソンとサールだったので、ライン間で動きなおしてボールを触りつつプレーするアタッカーであるヒルとしては、「これで僕はどうしろと」という感じだったと思う。
後半になるとサールとスキップの左右を交換して、ヒルも自分の得意な形でプレーできそうな雰囲気になったけど、同時に前線全体の流動性も上がり、最終的にヒルがフィニッシャーの位置にスライドしてプレーしなければならない機会も増えた。その位置でなにか仕事ができたか、というと微妙。悪くはないが、とくによくもない仕上がりとなった。
・足元は一定程度ある
・がフィジカルコンタクトに難ありで、総合的なキープ力はそこそこ
・ライン間でたくさん動きなおしてボールを触れる⭐
・裏に走れる
・フィニッシャーとしては計算できない
・スペースを見つけて能動的にプレーできる
ヒルの印象はいまのところこんな感じ。星がついている項目はチームでほかに代わりがいないので、トッテナムで試合に出るならここをフィーチャーしていきたい。
たとえば、(今回の後半でもソンがまあまあやっていたけど)ケイン+ヒル+クルセフスキのユニットにして左から積極的にヒルが右に流れてくる、という机上論はどうでしょうか。
同じく周りとパス交換しつつ攻め込めるクルセフスキとは相性がよさそうだし、どちらかというとインサイドでプレーを始めたいヒル、どちらかというとアウトサイドでプレーを始めたいクルセフスキ、と利害も一致する。すれ違ったあとはヒルはアウトサイドに出てこぼれ球に備えられるし、フィニッシュ能力があるクルセフスキはシュートを打てる位置にいる。ヒルがDFを引っ張って左サイドでペリシッチのアイソレーションも作れる。
……まあローンに行ってもっとできることが増えて自然に起用できるようになるか、もっと合っているチームを見つけるほうが本線ですが。
ポーツマスおじさん
ポーツマスFCには、本名にクラブ名を入れてしまった熱狂的なサポーターがおり、ホームゲームの名物となっている。この人物の名前はジョン・アンソニー・ポーツマスフットボールクラブ・ウェストウッド (John Anthony Portsmouth Football Club Westwood)。彼が何故そうしているのかは定かではないが、フラットン・パークでのホームゲームでは、常に全身を青い服に包み、青い鐘を両手に持って鳴らしながらスタンドを駆け回る姿が見られる。またテレビ中継でも耳を澄ませば必ずや、ポーツマスおじさんの打ち鳴らす鐘の音が聞こえてくるのである。ただし彼の姿は対戦チームのサポーターからは不評であり、彼を罵倒するようなインターネット上の書き込みも散見される。
「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者として名高いアーサー・コナン・ドイルは、一時期ポーツマスに住んでいた事があり、ポーツマスAFCというフットボールクラブの初代正ゴールキーパーであった。ただしポーツマスAFCはポーツマスFCとの直接の繋がりは無い(ポーツマスAFCは1894年に解散しており、ポーツマスFCが結成されるのは1898年である)。とはいえ、ポーツマスFCのサポーターを含むイングランドのサッカー・ファンの間では、「ポーツマスの初代ゴールキーパーはアーサー・コナン・ドイル」であると広く信じられている。
そういえばポーツマスを調べてみたらおもしろ余談が複数あってよかった。