不発弾を返せ

 

不発弾を
返せ

まだ僕が不条理だったころ
痛みを伴って
胸の中に埋めた

いつか成長した僕が
このまま責任が
取れる気が
してしまうときに
「現れて」

無数の切り傷がある
浅い海を
飲み水片手に
笑って渡る日に
「震えて」

やっと生み出せた
傑作が
その後の人生を
台無しにしてしまうまえに
「無言で警告する」

今後の人生では
きっともう手に入らない

貴重な
不発弾を
返せ