前々から行ってみたいと思っていた舎人公園は微妙で、保木間公園はまあポテンシャル通りで、足立区生物園はとても良かった。
ここが舎人公園。日暮里駅から出て埼玉県に入るちょっと手前で行き止まりになる「日暮里・舎人ライナー」という変な路線の途中にある公園である。隣接して東京都中央卸売市場のひとつ、北足立市場*1があり、公園の真ん中を走っている交差点によって大きく4つの部分に分割されている。
おおきな公園だと、外の道路が走っていることはそれなりにあるのだけど、せめて公園同士を道路をまたいでつなぐ架橋があると公園としての一体感があって良かったのだが……。
面積は広く、設備もそれなりに充実しているものの、全体としてうすら寒い空気が漂っていたことが否めない。すくなくとも、目的地としていくようなところではなかった。
総評:𝓓𝓲𝓼𝓪𝓹𝓹𝓸𝓲𝓷𝓽𝓮𝓭 𝓹𝓪𝓻𝓴...(期待外れの公園)
つい酷評しちゃったけど、家の近くにあったら運動や趣味に使えるいい公園だったと思う。釣り堀は老人たちでにぎわっていたし、鳥も釣りを見物していた。
舎人公園から東へ進むと、東武伊勢崎線の竹ノ塚駅あたりにつく。そこからすこし行ったところに保木間公園がある。団地と学校の近くにある近隣住民のための公園であり、もちろん地図上でも目立つような場所ではない。
まあ、ポテンシャルどおりのふつうの公園でしたね。特筆事項といえば、ベンチのホームレス排除がマイルドで、頑張れば寝れなくもない程度だったところか。
広場ではおじいさんがひとりでゲートボールをしており、楽しそうではなかった。
総評:𝓢𝓪𝓭 𝓹𝓪𝓻𝓴...(あわれな公園)
そのあと、近くにあった元渕江公園に行ったのですが、ここがとてもすごかった。公園に併設して「足立生物園」というちいさな園があったのですが、「どうせ地域の虫や鳥が多少いるだけだろう」とあなどって入ったら……!
ぱっと見大きく見えない建物なのに、どこにそんなキャパがあったの!と思うくらいの展示物量と密度。「生物園」というあまり聞かないネーミングにも納得がいく。金魚、クラゲ、トカゲ、カンガルー、モルモット、猫、コオロギ、ちょうちょ、ヘビ、チャボ……、なんでもいる!
しかもただ雑多に集まっているのではなく、「熱帯の森で暮らす生き物たち」「希少な蝶を交配する温室」「金魚の品種改良の歴史」「オーストラリアの動物たち」「地元足立区の自然」「『鳴く虫』特集」など、それぞれのブースごとに特徴が打ち出されていた。「害虫」をテーマにした美術作品(絵画や彫刻など)展までやっていたのには驚くばかりだ。
建物の一角には「本日羽化した蝶」コーナーがあり、その奥には作業にいそしむ飼育員、研究員さんたちがいた。展示だけではなく、学術の場としても機能しているのだろう。猫と触れ合える小部屋もあったが、猫たちがみんな高齢になっちゃった、という理由で永久に閉鎖され、小窓から眠っている老猫を覗きこめるだけのスペースになっていた。人間ではなく、生物本位の展示がされている心のある施設なのだ。
入場料は300円とあまりにも安い。つぎお金ない人とデートするときはここを一旦提案してみようと思います。
総評:𝓦𝓸𝓷𝓭𝓻𝓸𝓾𝓼 𝓹𝓪𝓻𝓴...(驚くべき公園)
チャボの家に勝手に上がり込んでご飯を食べている鳩がいて、通りがかった老夫婦が「鳩がチャボのご飯を食べているねえ!」「賢い鳩だねえ~!」と沸いていたのがよかった。
*1:区部北東部における青果及び花き流通の拠点市場となっているらしい。北足立市場のご紹介|東京都中央卸売市場