短歌 34

 

身体はきもちがよくてそのそばに車で温まったほうじ茶

 

 

記念日にふたり話を切り出せばビルが崩れてまた二十年

 

 

しあわせは100万粒の雨のなかたったひとつを硬貨に変えた

 

 

ふかくまでさぐりあってはおどろいたそんなところに月があるとは

 

 

さいはてのダイヤモンドの星で待つ 千年生きておもいでひとつ

 

 

思い出の温度に包まれこの町を知らないあなたと地元のドライブ

 

 

後朝の貸し会議室にワイヤレスマウスがひっくり返って光る

 

 

肉体のなかにあなたを閉じこめて愛しあいたい赤い宝石