フロイトの精神分析学によると、人間はだれしも、6つの心理的・性的な発達のステージを辿るという。すなわち、「口唇期」「肛門期」「男根期」「潜在期」「OK Goのミュージックビデオを見るのが楽しくてしょうがない期」「性器期」である。
もう「OK Goのミュージックビデオを見るのが楽しくてしょうがない期」を通り過ぎてしまったひとも、まだ来ていないひとも、ここですこしOK Goのミュージックビデオをふりかえってみるのも良いのではないでしょうか。
OK Goのエンターテイニングなミュージックビデオのなかでも最も有名なのがこちらの「I Won't Let You Down」でしょう。カメラの動くスロー長回し撮影、メンバー4名によるゆるいダンス、視覚的効果のための大掛かりなセット、パステルカラーの小道具やファッション、……そして、ちょっとの失敗は味と捉えて、いい意味で完璧を目指さない仕上がり、というような、OK GoのPVによく含まれるエッセンシャルな要素がふんだんに詰め込まれている。
このページにあるミュージックビデオを1つだけ見るのであればこれがおすすめだ。
日本で撮影されているのと、Perfumeが冒頭に出てくるのとで、日本での知名度も非常に高いクリップである。
しかし勘違いしないで欲しいのは、OK Goのミュージックビデオは、潤沢な予算で作られているからすごい、ということではないということである。むしろ、彼らのアイディアと創意に、予算が後からついてきた、というのが正しい。
2007年のグラミー賞、最優秀ミュージック・ビデオ部門で賞を勝ち取ったこちらのミュージックビデオは、人を楽しませる才能を持ち合わせた4人の男に加えて、6台のルームランナーさえあれば、予算はなくとも歴史に名を遺す映像ができるということを証明している。
「This Too Shall Pass」という曲のビデオではルーブ・ゴールドバーグマシン*1を最大限にフィーチャーしている。決して目新しいアイディアではないものの、見ているとやっぱり面白いんですよね。
この曲に限ったことではないが、OK Goのミュージックビデオは映像に注目しちゃって、肝心の曲があまり記憶に残らないことが多い。でもけっこうどれもいい曲なので、何周目かの時には曲にも気を配ってあげてください。
4曲目は僕の趣味でもいいでしょう。数あるOK Goのミュージックビデオのなかでも、僕が一番好きなのがこれ。ほかの作品と比べて、たしかにアメイジングでないかもしれないけれど、そのぶんとても愛らしい。
一日だけだれかになれるとしたら、MV撮影日のOK Goになってみたい。