最近はイトシンTVで将棋を観ている

 

 最近はイトシンTVで将棋を観ている。プロ棋士伊藤真吾さんというかたが配偶者さんのプロデュースのもと公開しているYouTubeチャンネルである。

 

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https://www.youtube.com/watch?v=oIeEs7ylevY

 むかし、東海オンエアの動画にゲスト出演していて、6vs1の将棋対決をしていたときに、ちょっとキャラクターが面白くて思わず登録してしまっていたチャンネルだった。このように「どうも、イトシンTV。伊藤真吾です。イェイイェイ」と本当に楽しそうな雰囲気ひとつ出さずに言って始まるイントロが衝撃的で、思わず見てしまい、反射的にチャンネル登録までしてしまったのだけど、そのあと始まる将棋部分にはあまり興味がひかれず、ちょっと見たあとはタブを閉じてしまっていた。

 イントロはとても面白かったのだが、「将棋」というコンテンツが「イェイイェイ」の面白さについてこれていない、というのが当時の僕の感想である。

 

 最近また見るようになったきっかけはこれ。「将棋」が特集されるという、スポーツ総合誌「Number」*1のエポックな回で、これがとても面白かった。そのなかに将棋棋士YouTube事情について解説されたちいさなコーナーがあって、それを見たときに、そういえば、あのとき登録したチャンネルがあったな、と思い出した。

 

 今回は「将棋」というコンテンツそのものにも興味が沸いていたので将棋部分も飛ばさずに見てみた。解説とかは聞き流しだったので、ふ~ん、将棋って難しいんだなあ、という感じだったのだけど、エンディングのやたら勢いのいい「チャンネル登録して、つぎ動画もチェック!」が面白すぎて本当のファンになってしまった。本当に100点の動画だ。

 

 となるとさすがに「将棋」のことももうちょっと理解したい気分になってくる。動画内で伊藤真吾さんは「この手に対しては、7五歩、そのあと9六飛車というのが狙いですね」というふうに座標で近い未来の駒の動きのプランを示してくれたりするんだけど、それも自分の頭のなかで動かして考えてみたりするし、「そうすると、こちらが銀、桂馬に対し、相手は香車一枚なのでこちらの駒得になります」という形勢評価にもうなずけるような気がしてくる。

 何度か動画を見ているうちに、利害を異にするプレイヤーが盤の上で競い合っている様子がなんとなくわかるようになってくる。もともと、なんであれ人々がルールのなかで戦っているのを見るのは好きなのだが、……それにしても将棋ってとっても面白いゲームなんじゃないか? すくなくとも「イェイイェイ」の面白さに匹敵するくらいには……。

 

 こちらのインタビューでは、登録者10万人になって娘に盾をプレゼントしたいという夢が語られている。ただいまの登録者は2.9万人ほど、……将棋観戦が流行っている昨今、もし新しい趣味として将棋のYouTubeチャンネルを探しているのなら、イトシンTVを見てみてはいかがでしょうか?

*1:文芸春秋が出している。