例のマンション(The Mansion)

 

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 9月2日朝、よく見るマンションの夢(「The Mansion」とかってに名前をつけて呼んでいる)の夢を見たのでそのことについてメモ書きをしたい。

 

 ボロボロのマンションで、訪れるときはかならず車で右折して入る。あと、かならず雨が降っていて、風が強く、夜である。僕は人生のなかで自分で車を運転した経験がないので、基本的にはだれか(家族が多い)といっしょに来ていることが多いのだけど、最上階に行くころにはひとりになっている。

 

 最上階に行くまでのステップは省略される(あるいは覚えていない)ことも多い。エレベーターでふつうに行くときもあったような気がするが、今回は雨に濡れてぎしぎしときしむ外階段を回って行った。

 

 完全に廃墟のようになっている建物で、最上階に来ると、風にあおられていまにも崩れそうになっている。横長のシンプルな集合住宅で、外階段から廊下に入ると、それぞれの部屋が一列に並んでいる。扉前のへこみなどもない、非常に安っぽい作りのマンションである。それに見覚えがあったので、そこまで来た段階で、「あ、これはあの夢だ」と気づくことができた。そしてとてもいやな気分になった。この夢はだいぶ悪夢で、最上階に来たあとはどれかの部屋に入るのだけど、どの部屋に入っても(それぞれべつの)けっこう怖いことが起こるのである。

 

 今回入りかけたのは、来るときによってたぶん配列は異なるが今回は一番手前にあった「ほとんど7畳の部屋」だった。外観から部屋の中身の区別はつかないのだが(一部屋だけ例外があって、その部屋のまえでは毎回植木鉢が割れていてそのなかでクモが死んでいる)、なんとなく扉に意識を向けた瞬間にこれが「ほとんど7畳の部屋」だということがわかった。わかったというか、思い出したというか。

 

 ただ、今回はこれが夢だということがわかっていたので、ちょっとだけ抵抗することができた。「ほとんど7畳の部屋」にすぐに入るのではなく、廊下を反対側まで行って、また戻って来て時間を作ることができたのだ。時間ができればその分朝が近くなる。……夢のなかの嵐も勢いを増したようで、建物の揺れはひどくなり、ドアがそのままぺらっとはがれて、部屋の中に入れなくなったのだ。

 いま思うとなんでそうなるのかは不明だが、夢のなかではたしかに揺れ→ドアの方向に因果関係があった。助かった。

 

 「ほとんど7畳の部屋」に入るとどんなこわいことがあるのか、あるいはほかの部屋に入るとどんな怖いことが起きるのか、目覚めるちょっとまえくらいまではわかっていたのだけれど、すこしのあいだに忘れてしまった。できればここを書きたかったのだが。でも、どうなんでしょう。こういう夢って現実世界で言及しないほうが安全なのかもしれない。

 

 ただ、夢の怖さは、寝ぼけつつ書いているいまも体が覚えているようで、さっき同居人が「バタン!」とドアを開けたのに、めちゃめちゃびっくりしてしまった。