tofubeats - 陰謀論とアサヒ ザ・リッチ

tofubeats - 陰謀論

 (King gnu井口さんの表現を借りるなら)僕の世代でtofubeatsに触れずに生きることは不可能なので、そこまでこのジャンルの音楽に親しくはないのだけれど定期的に聴いてしまうtofubeats

 3月2日に公開されたこのMVは恐ろしいことになっている。サムネイルは単にタイトルコールがあるワンカットを切り出しただけなのでぜんぜん全体の代表にはなっていない。サムネイルだけを見て「これはちょっとな…」という第一印象をもったかたこそ見てほしい。いろいろな要素やアイディア、テイストが交じりあっていて、もともとの意味で鳥肌が立つ。

 

 個人的に好きなのは序盤の部分。謎にズームしていく背景、ドライブウェイに雑に合成されたモーションキャプチャVRコスチューム、とつぜん出てくるワイプ……。イラストレーターとかフォトショップを初めて触るとき、ほとんどの機能の意味が分からず、また作りたいもののビジョンもないので、適当なぐにゃぐにゃを画面に書いてなんだこれ笑ってなって消すときがあるじゃないですか。あそこでできたぐにゃぐにゃを追い求めていったようなビデオのようだと感じました。

 

アサヒ ザ・リッチ

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アサヒ ザ・リッチ|ブランドサイト|新ジャンル|アサヒビール

 「第三のビール」で味と香りの強い、プレミアムな感じのお酒を作ろう! それまでとはべつのブランドを立ち上げて、新しい選択肢として売り出そう! という動きが最近すごい。こういう系のお酒で最初に覇権を握ったのは「本麒麟」で、それはそれはとてもとてもおいしかったし、そのあとに出たサッポロの「ゴールドスター」もすごかった。

 ふだん僕はアサヒのビールは飲まないのだけど(味がないので)、この「ザ・リッチ」はアサヒのイメージらしからぬこういう系のお酒の仕上がりになっていて、とってもおいしかった。近年、ハイボールが乾杯ドリンクとして注目されたり、クリア・ストロング系飲料がアルコール中毒者の市場をかっさらったり、おいしさを追い求める層にはレモンサワーがブレイクしたりと、ビールはほかのお酒に対してかなり劣勢だったけど、こういう系のお酒がひょっとしたら反撃ののろしになったりするのでしょうか。お酒とお酒の戦いは、とても面白い。

 

 この「第三のビール」は段階的に酒税税率が上がっていくことが決まっているのだけど、この社会情勢のなか増税が実際にされるか微妙になってきたので、その辺も追い風ですね。