ひみつ道具ドラフト会議

 

 アメトーーク!でやっていた「ひみつ道具ドラフト会議」を見た。それぞれの芸人さんの選択がそれなりに練られていてとても面白かった。

 サバンナ高橋の「自動販売タイムマシーン」で最悪買う、という戦略はなるほどと思ったし、乗り心地の確保と競合回避を同時に成し遂げるあえての「タイムマシン チューリップ号」指名は感動的だった。麒麟川島の「お医者さんカバン」チョイスには笑ってしまった。たしかに、このご時世医療へのアクセスがなにより大事だ。

 

 僕も指名する道具を考えてみることにした。ただし、縛りとして、番組内で芸人さんに指名されてしまった道具はもう取られてしまって選べない、ということにする。また、ひみつ道具図鑑などで調べてしまうのも味気ないので、記憶だけを頼りに選んでいく。

 なのでひょっとしたら道具の細かい説明は間違っているかもしれない。そもそもない道具を生み出してしまっている可能性もある。有識者のかたは目を光らせてくれるとありがたいです。

 

 では……、

 

 僕の指名するひみつ道具はこれである。

 

1位:石ころ帽子

2位:入りこみ鏡

3位:通りぬけフープ

4位:いつでも日記

育成枠:スリルブーメラン

 

石ころ帽子

 これをかぶっていると、道端の石ころのようにだれにも気にされない、気づかれない存在になれるという道具である。これがもう本当にぜったいに欲しい。手に入れたら死ぬまでかぶり続けて一回も外さないと思う。*1

 「だれも俺に関わってほしくない」「いろいろな他人の生のありさまを見たい」という強いふたつの欲求が昔から僕にはあって、子供のころは早く死んでゆうれいになりたいとずっと空想していた。

 

 その夢を生きながら叶えてくれる奇跡のような道具である。とりあえずこれを確保すること、それがこのドラフトでの僕の最大の目標となる。

 

入りこみ鏡

 だれもいない鏡のなかの世界に入りこむことができ、そこでなにをやっても現実の世界に影響はない、という道具である。

 人間がだれもいない場所で文明の利器だけは享受したい、というこれも昔からの欲求があってそれも指名理由のひとつなのだけど、どちらかというとこれは生活必需品の確保に使うつもりだ。鏡のなかならコンビニもホテルも無料で使い放題である。

 

 つねに石ころ状態でいることを前提とすると、どうしても飲み食いだったり寝るところだったりが不安になってくる。人間は社会を作って生きる動物なので、ひととかかわらないとこれらの必需品はなかなか手に入りづらいのである。

 石ころ状態を利用して盗んでもいいのだけど、ひみつ道具があればもっと人に迷惑をかけないやりかたもできるので、まあそちらを選ぶべきですね。

 

 ただ難点がひとつあって、読む本の確保にはこれは使えない。*2しかたないので、本は盗むことにします。

 

通り抜けフープ

 壁を通り抜けることができる輪っか。ひとのいない鏡の世界、だれも気付いてくれない現実の世界、双方で行動圏を広げるために必須の道具である。

 

いつでも日記

 自分のおぼえていない過去のことでもすらすらと書くことのできる日記。

 うえの3つの道具で僕の理想の人生はすでにほぼできあがってしまっているので、残りはなんでも正直いいのだが、この理想の人生のログを自分が読み返す用に残しておきたいのでこの道具を選ぶことにした。

 

スリルブーメラン

 好きな場所に短い時間だけ行って帰ってこれる道具である。のび太は高いビルの頂上に1秒だけ行ったりして遊んでいた。

 僕もおなじようにして遊ぼうと思う。たぶんスリルが欲しくなると思うんですよね、上で述べたような理想の暮らしをしていると。

*1:いっしょに見てた友人にそう言ったら、「ええ…、お前がそうなったら俺はさびしいよ…」と言われた。かわいいやつだ。

*2:鏡世界では文字が逆になっているものしか手に入らない。