一番初めに出会った人を好きになる
二番目の人も
三番目の人も
四番目に会った人とは
板を三つ組み合わせた食堂のテーブルを分かち合い
五番目に会った人とは
四十歳になったころどうなっていたいかを話し合う
六番目の人は
私をだめにしてくるだめな大人であり
いつか刑務所に入ってしまうだろう
そして私は、面会に行けばよかったというアイデアを
ふとしたときに繰り返し思いつきながら
人生の後ろ半分を過ごすだろう
七番目の人はいま私の隣りにいるひとだが
果たして数年後もそうだろうか
経年劣化した身体が治るということがあるだろうか
それでも、しらけることはなく
ふさぎこむこともなく
私もささやかに過眠と不眠を繰り返し
八番目に出会った人を好きになる
九番目の人も
十番目の人も