朝起きてはじめに気づくのは


朝起きてはじめに気づくのは
机の下で眠ってるふざけた男
頭をやるには十分で
心臓を止めるには不十分なくらいの
アルコールとともに
こいつは俺に
どうしてつきまとう?

 

いますぐにこいつを
こいつの運命のもとへと送り返して
俺はひとりで
昨日の続きをしたい気分だ
激しい二日酔い
こいつの健康を願いつつ飲む酒が
不味かったためしはない

 

助けられちゃいけないやつらに
助けられてしまうたび
人生に残る醜い傷跡
傷跡をすこしも隠せない
肋骨でできた服
心臓だけかろうじて守ってる
頼んでないけど
ご苦労さま

 

俺たちはともに
なんの才能もなかった
美しく死ぬ才能も
醜く生きる才能も
俺にあってお前になかったのは
どんなに酔っ払った夜でも
ベッドの上で寝る覚悟
あとは、なんなんだろうな

 

思いつくあいだに起き上がれよ
お前を蹴り出した運命が
俺の運命であるんだとしても
順番を逆にはしたくない
夕食のころお前はここにいないだろう
だけど1年後もここで寝ているんだろう
二日酔いの体温を床に吸われて
なにも変わらない
このままだ