好きなものしりとり

 

 オリジナルのゲームを考えるのが好きで、これまで考えたお気に入りのゲームがいくつかある。そのうちのひとつを紹介したい。

 

アイドルに恋をする人のイラスト(男性)

 それが「好きなものしりとり」である。まずは複数名で集まって、参加メンバー全員が含まれる順番を任意の方法で作る。言い出しっぺから始まる時計回りが一番楽でしょう。はじめのひとはなにか身の回りのものから日本語の文字を一文字(たとえば、車に乗っているのならば、車の「ま」、というふうに)選び出し、その文字から始まる言葉を考えて言う。言った場合、先ほど決めた順番の上でつぎに位置する参加メンバーが、その言った言葉の最後の文字から始まる言葉を考えて言う。もし言えた場合は、そのつぎの順番のひとがおなじことをする、……というふうに進行していく。

 

 ふつうのしりとりと違うのは、各自が言える言葉は、その当人が「好きなもの」に限るという点である。それぞれが自分の好きなものだけでしりとりをする、それが「好きなものしりとり」である。

 

 もちろん、好きではないものを好きなものだと偽って言うこともできるので、それを防ぐためのルールがひとつある。もし誰かが自分の好きなものを言って、「いやそれお前そんな好きじゃないでしょ」と思ったときには、「チャレンジ」を発動することができる。チャレンジされた方は、自分がいかにその対象物が好きなのか、愛の気持ちを言葉にしてプレゼンしなければならない。チャレンジしたひと全員に、「私はこれが好きなんだ!」ということを納得させることができた場合に、しりとりは進むこととなる。実際にそんなに好きじゃなかった場合は、なにか他のものを考えてください。

 

 僕はこのしりとりをいろんなコミュニティでやろうよやろうよと言ってやっているのですが(付き合ってくださったかたありがとうございます)、盛り上がるんですよ。まずみんな、自分が好きなものが意外とないということに気づいて愕然とし、でもゲームが進んで慣れるうちに、「あ、そういえば俺、こんなものが好きだった」「付き合い長いけど、お前がそれ好きとは知らなかったわ」と、自分や友人の新たな一面に気づくことができる。ヒートアップしてくると、チャレンジもされてないのに語りだすひとが出てくる。

 

 最近キャンプに行ったとき、その道中の車のなかでこの「好きなものしりとり」をやった。そのとき、友人のひとりが「き」の番で、「きなこ」と言い出したので、「いやそれは嘘」「ちゃんとやれ」「きなこが好きなわけがない」と全員でチャレンジしたら、彼がスーパーでいろんな種類のきなこを買って最高のきなこ牛乳になるのはどのきなこかを研究しているというまったく初耳の情報をきかされ、説得されて「よし、いまからスーパー寄ってきなこ買って、明日の朝みんなできなこ牛乳飲もうぜ!」と車内の空気が一体化するところまで行ってしまった。「好きなものしりとり」の好きな思い出のひとつである。

 

【僕が一人でやってみた場合】

 

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