各都道府県の予選を勝ち上がった代表チーム(実業団や大学、JFL以下のカテゴリで戦うクラブチームもこの枠で参戦可能)、J1・J2の全チームがシングルエリミネーション*1のトーナメントを戦う、サッカーの日本3大タイトルのひとつが天皇杯である。
アマチュアのクラブや、カテゴリ的に下のクラブが、J1のクラブと対戦する、強さに差のあるカードが頻繁に組まれるのがこの大会の魅力だ。あるときには格上のチームのふがいなさによって、あるときは格下のチームの食らいつきによって、格下側が勝利する*2のを見るのはいつだって楽しい。
結局、ジャイアント・キリングとはならなかったのだけど、2013年のAC長野パルセイロ(長野県代表)と横浜Fマリノス(J1)の戦いは激熱だった。手に汗握りながら見たて、終わったあとは放心したのをいまでもよく覚えている。
しかし、今年は従来通りの規模で大会を開催することはできない。いっそ中止でいいじゃん、とも個人的には思うのだけど、100回大会でもある今回はなるべくなら開催したい、という意見も多かったのだとか。
延期すれば来年が100回じゃん、とか思ったんだけど、天皇杯では伝統的に開催されなかった年(太平洋戦争中など)も回数に含めているらしい。なので延期すれば、100回目の優勝チームは永久にいなくなる。(100チーム目の優勝者は問題なく登場する見込みではあるが)
まあ開催するとして、どのように開催規模を削減すべきか。JFは、プロチームの枠をJ1の上位2チームに制限する、という方式にした。日本にプロサッカーリーグができるはるか以前からあった天皇杯という大会形式を尊重した英断だということで、サッカーファンにはとても歓迎されていた。
今回またさらにマイナーチェンジがあって、J2とJ3各カテゴリの優勝チームも参加できることになった。これで、各カテゴリのチャンピオンチームと、アマチュアのトーナメントを勝ち上がったチームが組みあう、これはこれでけっこう面白いコンセプトの大会になったような気がする。
天皇杯があることによるJクラブの過密日程(とくにシーズンオフ期間のすくなさ)の弊害は常々語られてきたので、これを機にちょっとした、大会コンセプトの永続的変更があってもいいのかもしれないですね。もやウィン先生によれば、変化するものが生き残るらしいので。
ちなみに僕の大好きな北海道コンサドーレ札幌はこの大会でいい成績をのこしていない。2017年にはいわきFC(福島県代表)に2-5と完敗したのが記憶に苦く新しい。個人的にはこんな屈辱的な大会、最悪なくなっても許せます。