EURO2024 ラウンド16 ルーマニアvsオランダ

 

 持つ側の国vs持たざる側の国、ここで負けるとノルマ未達となる国vs勝ったらひとつの大成功となる国、という非対称な構図であり、それがとても面白い。ルーマニアvsオランダを見ました!

 

 キックオフの瞬間からルーマニアはボール保持でも非保持でもめちゃくちゃ積極的。「今日はマジで全員で死ぬまで走ろうぜ!🔥」という内容の作戦会議をしたのだと思われる。

 先日スロベニアが散ったように、守って守っていい勝負をしてPKに持ち込んでもそれでもなかなか勝てないのがこの非対称戦。走り切ってまず1点リードを取ってしまうというのは理にかなっているではあるのだが、シンプルに上ずった裏を突かれたり、疲れてきた後半に攻めつぶされることもあり、なかなかリスクが大きい作戦である。

 

 そんなルーマニアにたいしてオランダはいったんペースを奪われるものの、強者の試合運び。……ガクポがひとり抜ききらずにサイドからぶち込んだのである。

 全体のシチュエーションとしては優勢ではなくても、「つええやつが局面で勝って黙らせる」ができるのが強国。その後はルーマニアはペースを手放し、自陣での防衛戦を主に戦わされることになる。

 

 後半も駆け引きが続くが、やはり基本的にはルーマニアはライン間を守れておらず、プレスがかかる時間帯もあるが散発的。運とパッションでなんとかゴールだけ守り切るしかなく、それと同時にできれば90分の間に2点取りたい、……120分闘うとさすがに負けてしまうだろうという感じでした。

 

 で、実際運とそれをはるかに超える量のパッションを発揮していいところまで守り切るんですよね。……点を取れるかはかなり厳しそうだったが、でも、アタッカーがボールを持った時の関係性は悪くなかったので、可能性が0じゃない時間帯は長く続いていた。手に汗握る、素晴らしいゲームでした。

 

 そのゲームが終わったのは80分過ぎごろ。ドラグシンが、……もう一個安全側に振ったプレーをしていれば確実に防げたのですが、それを選ばなかったことも理解できるので、主語はガクポにすべきですね、ガクポが相手の甘えをついた素晴らしいプレーでマレンのゴールをアシストして2点目を獲得。ルーマニアは頑張りましたが、最後にもう1失点して大会を去ることになりました。

 

ベスト16│ルーマニア vs オランダ 3分ハイライト/UEFA EURO 2024™ サッカー欧州選手権【WOWOW】 - YouTube