天高くバイブス~EURO2024 グループステージ1巡目 ルーマニアvsウクライナ~

 

 観ましたか? とてもいい試合でしたね!

 

 6月14日深夜から始まった欧州選手権(EURO)を見ている。ヨーロッパの協会が主催する、ヨーロッパ版のワールドカップのような大会で、ワールドカップと同様、4チームずつのグループステージをまずは戦い、トーナメント方式のノックアウトステージに出場する16チームに絞り込んでいく。

 

 今回は平日22時~という、日本の社会人でも無理なく見れる時間にスケジュールされたこちらの試合をみていた。ネームバリュー的にはそこまで高くないカードですが、見てみたら両チームともすごく質のいいサッカーをしていて非常に好感が持てた。

 攻守の4局面のうちどの局面も捨てていない、……プレッシングもセット守備もカウンターもポゼッションもそれぞれにセオリーとされていることをしっかり整えてきていたんですよね。現実的に考えてすべてをするのをあきらめるチームもある中で*1、こういった「きれいな」サッカーを見ることができる機会というのは非常に貴重である。

 

 そして単にきれいなだけではなく、ドラマティックな試合展開とほとばしるパッションもあったのが素晴らしかったですね。序盤は選手のスペックで勝るウクライナが主導権を握ったのですが、ルーマニアも苦しいながら、相手がいちばん嫌がるタイミングでエネルギーを集中させてゲームのアヤを作ることができていた。

 そんななかで、大会ベストゴールもありえるスーパーミドルでルーマニアが先制。これはプレッシングで相手のミスを誘ったものであり、雰囲気はルーマニアに傾いていきましたね。その流れを殺さずに引き寄せて、後半頭の時間帯でさらに2点を追加する。ルーマニアが、グループステージ突破に王手をかける1勝*2をあげました。今大会初のアップセットなんじゃないでしょうか。

 

 個人的に非常にルーマニアは好きになりました。そもそもチームとして良く設計されていたし、どうしても及ばないところを乗り越えるスピリットも備えていた。点を決めたあととか、試合終了時とか、みんなでくんずほぐれつしてものすごいバイブスで喜んでいたのが印象に残りましたね。観客の声も出ていた。

 

 逆に気になったのはルニン。レアル・マドリーゴールマウスを守り切ったこの男にとって、今回のEUROは母国でも英雄になるための大会だったはずでしたが、2失点にミスで絡んでしまうというまさかのスタートとなった。転職活動の側面もある大会だと思うので、残りの試合では切り替えて頑張ってほしい。

*1:リソース不足や種々のしがらみから、「とりあえず引いて守ろう! 攻撃はてきとうに前に蹴って入ったらラッキーwで」みたいになる、というのはありがち。

*2:EUROの方式では、グループステージ2位までがノックアウトステージ進出、また3位のチームの計6つのグループの3位チーム同士で成績を比較して、その中で下位2枠に入らなければノックアウトステージに進出することができる。体感としては勝ち点4取れば安泰、3でも突破できることもある、といった温度感である。