兵器にはつねに心があって

 

兵器にはつねに心があって
しかも不安なのは
死と隣り合わせだからだろう

雪の進軍試案で
きみは一人外に立たされ
終わらない数を数えていた

ポケットに入ってきた指が
探し求めたのは
丸くなった埃だった?

土に埋めたばかりのあれが
待つのはつぎの春ではなく
辛抱強く
もっと数世代先の春であることを祈った

メーター
心象風景の嘘に
騙されて
事態を深刻側に
45度以上も読み間違えている
君の無事を祈った

そして雪は降り続くが
いずれ止み
君は後衛に守られて
老い
このときを語り継ぐ
機会を得るだろう

つかみ損なわなければ

 ※

もちろんいまここで
つかみ損ねても良い
雪に紛れる
落ちる埃