2022-03-11 短歌 42 スコールは夏の涙か鞄ごと濡れてしまった「腹腹時計」 傘がないから相合傘あきらめて濡れながらゆく雨の裏拍 「わが手で守ろう わが街 わが家」と消火器が並ぶ僕たちの街 鉄骨をむき出しにして死んでいく大きくて強いものになりたい 摩天楼ひらりとかわす鳩たちが世界の午後を埋めつくしてる 雪の夜も雪を溶かしてやりなおすことのできない深さだ海は 夜汽車に読書の明かりてんてんと「highlight」には黙字がいっぱい