広告表示の最適化、というのは良い技術ですね。最近インターネットをしていたら、「!」と思うような広告が表示されて、疲れていなかったらクリックまではしていなかったと思うのだけど、そのときは疲れていたのでついクリックしてしまった。
水銀燈キャストドール | 「ローゼンメイデン」真紅キャストドール
遷移したのはこのようなページだった。どうも、DOLKというドール専門のリテイラーが「ローゼンメイデン」とコラボして、作中に出てくる人形を完全受注生産で販売するらしい。
すでに「ローゼンメイデン」の主役である真紅の受注は終わっていて、2021年中に順次発送されていく予定らしい。……この真紅が作られる、というニュースはまえに見た覚えがあるが、そのときはそれ以上とくに深追いはしなかった。たぶん疲れていなかったのだろう。
……さて、広告からウェブページにアクセスし、商品のディテールや販売形態など、いろいろな情報を得、さらにこのジャンルの商品一般についてさまざまな情報を収集した結果、僕はいま一つの選択の目の前に立っている。買うか、買わないか*1の真剣な検討だ。
マーケティングのモデルでいえば、「黄色のS」から「水色のA」の段階に移行しつつあるということだろう。
値段は100万円ちょっとするが、まあ出せなくはない。僕も一人の成人男性なので、こういったジャンルのものを持っていると周囲からの信頼を失う可能性が大いにあるが、そのぶん、ほかのところで信頼に値するような行動・態度・意思表明を心がけ、「一点だけあれな部分があるけれど、ほかの部分は非常にしっかりとしていて、信頼に足る大人」という世評を得ればよい。
……そもそも、(「男らしくない」ということに気づいてからはすっぱりやめたが)僕はもともとけっこう、ぬいぐるみとか石とか木の枝とかに執着を持って時間を共有するのが好きだったし、それしか心を開ける友人がいなかった時期も長かった。ここでなにかひとつ、自分にとって大きな意味のある物を買っちゃうのも、ひとつの人生かもしれない。
心が決まったところで、……しかし、重要な問題がひとつ残されている。……ここまで書いてきていまさらひっくり返すようであれなんですけど、僕が愛着を感じているのってべつに水銀燈じゃないんですよね。
原作での扱いやファンからの支持を考えると、真紅、水銀燈ときてつぎの翠星石までは間違いなく販売されるでしょう。……ただ、そのラインナップに蒼星石が加われるのか、と思うとちょっと不安もある。
それに僕の体感だと、ローゼンメイデンの圧倒的人気ドールは水銀燈と翠星石で、まあ主人公ということも加味して真紅がその次、そして残り4体はそれぞれにファンはいるものの、数としてはそんなに大差がない。もし、蒼星石を出すのであれば残りの面々も出さないと示しがつかない。
完全受注生産というリスクの少ない販売形態を取ってはいるものの、翠星石まで出して、あとはとりあえずやめておく、というのも、資本主義社会の企業としてはいたって普通の選択肢である。
……どちらにしても、本当の決断を迫られるのは2023年以降になるでしょう。決断が先延ばしになることの安心感を味わいながら、もう一回、ローゼンメイデンを読みかえしてみようかな、と思った一日でした。
*1:ペットや車、そしてこのジャンルの品物のように、この品物をたんなる物品以上の、とくべつな尊敬や配慮が必要なものとして取り扱うのが適切だと思われるものを買うときには、「買う」ではなく「迎える」という言葉を使うこともよく見られる。しかし、(今のところそうだというだけで、理解が深まってきたら立場を変えるかもしれないが)個人的にはそっちのほうが欺瞞なんじゃないかと思うこともあり、また、物に対しては主観的な読みこみをあまりし過ぎないほうがちょうどいい物との付き合いかたなのではないか、という気がするので、あえて「買う」という言葉を使っている。