短歌 29

 

消し忘れデスクライトの光る朝 ひとりで生きることのぬくもり

 

 

好きな歌を歌い終わった人たちがお金を払う朝のカラオケ

 

 

着古した僕のコートのポケットはお前のごみ箱じゃないんだけど

 

 

朝が来たら微笑んでくるカーナビの「都市のことなら私にまかせて」

 

 

ぼくときみ海鮮市場のざわめきに案内しあって真夏の秋波

 

 

吸血鬼は朝日に溶けて天窓に張り付いたままのトランプカード

 

 

君のいる街に来ました 休日が石蹴り遊びで終わってしまう