「どこの帰りなの?」
「朗読会ですよ」
家に残っていた昨日の僕と
帰宅後すぐに話さなきゃいけないのは最悪だ
どうにか頭を切り替えないとと思い
鳴り続けていたカエルの警報器を止めて
満腹になったEQNhOの中から洗濯機を取りだす
そこから洗濯物を取りだすのに
さらに何時間もかかる
「生きているうちは忙しいね」
「だけど時間がありますよ」
お願い口答えをしないで昨日の僕
明日も明後日もおなじ答えをするしかない
本当に疑問に思っているのは
昨日の僕お前だけなのだから
詩は数世紀をかけて衰退の一途をたどり僕らにいたる
見送るバスはやさしく偽られた後方表示灯だけを残して海の向こうへ消え
手違いで送られてきた花は笑窪などの小さなへこみを見つけて生活に根づいた
そして
寝室の隅っこでは
僕の息子でもある人生が
家庭用トランポリンの上を
長いあいだゆっくりと数を数えながら跳ねていた