いままで聴いてきたようなものをこれからも聞いていく

 

 The Magic Gangに夢中になっている。王道、という感じの90年代インディーロックをやっているような感じのバンドで、ただ懐かしいだけじゃなく、どの曲にもこれはと思わせるような光る部分と特徴がある。イングランド、ブライトン出身のバンド。

 この曲はサビの大団円感と、その余韻を引っ張る間奏のギター、そして後ろのリズムが非常に好き。

 

 幅広いジャンルの音楽を…、というわけではないんだけど、ただジャンルのなかでの引き出しはけっこうあって、いろいろな曲を聞いて回っていて飽きない。それぞれごとに際立ったコンセプトがあって楽曲が製作されているように感じる。

 この曲はかなりエキゾティックで、だけどそれをポップさで上回っていて、その素敵さ。MVも、Zoomをモチーフに面白いけどわりとみんな思いつくような…、と思っていたら途中からちょっとひねったつくりになっているのでぜひご覧あれ。

 

 この曲はなんかビートルズっぽいなあ、と思って聞いていたら、2番目の歌メロからビートルズっぽいとは言えないけれどとてもスムーズにつながる新しい展開につながっていって、すごいなと思った。

 時代に対して前向きというよりは後ろ向きで、未来志向で尖っているというよりは過去の蓄積へのリスペクトが強いバンドなんだろうとは思うけれど、それまであったものに新しいものが足されていると、聞いているがわももっとうれしくなる。

 

 こういう感じのバンドやこういう感じの曲は昔から好きで、よく聞いていた。しかし、新しいものが好きというか、自分がこれまでよいと感じていなかったものに触れて、それを新しく良いと感じられるようになっていくプロセスが好きだったので、なるべく、自分がいま良いと思っているものに安住せず、今すぐには良さがわからないようなものを選んで聞いていることのほうがおおいのだけど、こうやってひさしぶりに昔から好きだった感じのものを聞くと、なんというか、単なる良さではないもっと包み込まれて安心できるような感覚がある。

 

 その感覚はなにものにも代えがたい。

 

 すでにあるジャンルや様式に新たな輝きを書き加える発信者の素晴らしい仕事を、知らなかったものを追いかけることで知っていたものにまたさらなる良さが加わる、という僕の側の享受するときの頑張りで、いいぐあいに迎えることができていて、最近は楽しく音楽を聴いている。

 

 8月21日に発売されるという2ndアルバムが待ち遠しいです。