クレバーではないがグルービー

 

 最近はV6のバラエティ企画を見て楽しんでいる。V6のCDを買うとたまについてくる特典動画を、公式がYouTubeに公開しているのだ。

 

 上段は左から長野博、井ノ原快彦、坂本昌行。下段にいるのは左から岡田准一森田剛三宅健である。ちなみにV6は年長組と年下組で微妙に年が離れていて、年長組は20世紀、年下組は21世紀を代表させてそれぞれトニセン(20th Centuryの略)、カミセン(Coming Centuryの略)とよばれる緩やかなグループ分けがされている。上段にいるのがトニセンで、下段にいるのがカミセンである。

 

 自分はこういう人間なんだぞっ!っていうキャラメイキング、その場に居合わせたキャストを観察して自分の最適なポジションをとる力、なにかくだりが発生したらそこに面白いフレーズでボケたり突っ込んだりする機転、……最近活躍するタレントには(あるいはふつうのひとにも)そういう全体的なクレバーさみたいなものが高いレベルで求められている感じがあって、たしかにそういった人間を、スケジュールが取れた順にキャスティングしていくバラエティは当然のように面白い。

 

 

 

 V6にはめちゃくちゃキャラがたっていたり、特徴的なおもしろセンスを持っているひとというのは(比較的)いない。そのかわりに6人が集まったときの心地よいグルーヴ感がある。郊外に暮らしてる中学からの長い連れみたいな雰囲気だ。

 なんかちょけたり、面白いことを言ったり、企画を練ったり逆にその企画のシステムをついて展開を作ったりとか、そういうことってダサい。なんか、いっしょにいて空気が良ければそれでよくね? みたいな、フォークな感じ、上で言った意味ではタレント的ではない、ロードサイドな空気感みたいなのがあって、それがなんか、とても良いと思う。

 

 たとえばこの回「50マーベラス6」では、企画の枠組みみたいなものを提示されるんだけど、メンバーがもうみんなびっくりするぐらいルールを守らない。違反することで面白くしようとしているとかそういうことではなく、ただ「なんとなくそんな空気じゃない」というふうにみんなが自然にルールを守らない。カメラに向かってしゃべっているんだけど、その喋りそのものというよりは、喋りによってすこしずつ6人のなかのノリが出来上がっていく感じ。

 

 そういえば、「友達」って、……というか友達と改めて呼ぶのもなんか違うような気がする、……いつもいっしょにいるひととのやり取りってこんな感じだったな、って思う。そしてそれもバラエティとしてとても面白いんだと再発見!って気分になる。

 

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 俺はこれまでくだりを作ることやキャラを作ることを望み過ぎていて、空気感の良さを忘れていたんじゃないか……?