ノーベル文学賞をどれくらい読んでいるのか? 5

 

過去

 

2000年代​
肖像 受賞者 国籍 ジャンル 備考
2000年 Gao Xingjian.jpg 高行健 フランスの旗 フランス 小説・戯曲 華人初の受賞者
フランスに亡命
2001年 VS Naipaul 2016 Dhaka.jpg V・S・ナイポール イギリスの旗 イギリス 小説  
2002年 Kertész Imre cropped.jpg ケルテース・イムレ  ハンガリー 小説 ハンガリー人初の受賞者
2003年 J.M. Coetzee.JPG J・M・クッツェー  南アフリカ共和国 小説 南アフリカ人として2人目の受賞者
英語での著作
2004年 Elfriede jelinek 2004 small.jpg エルフリーデ・イェリネク  オーストリア 小説・戯曲 オーストリア人初の受賞者
2005年 Pinterfoto cropped.jpg ハロルド・ピンター イギリスの旗 イギリス 戯曲  
2006年 Orhan Pamuk 2009 Shankbone.jpg オルハン・パムク トルコの旗 トルコ 小説 トルコ人初の受賞者
2007年 Doris Lessing 3.jpg ドリス・レッシング イギリスの旗 イギリス 小説 ノーベル文学賞最年長受賞者(88歳)
2008年 Jean-Marie Gustave Le Clézio-press conference Dec 06th, 2008-2.jpg ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ フランスの旗 フランス 小説  
2009年 Herta Muller.jpg ヘルタ・ミュラー ドイツの旗 ドイツ 小説  

 世紀をまたいで2000年代。現代が近づいてきた。このあたりになってくると、まったく名前を聞いたことのないひとというのがさすがにいなくなってくる。読んだことがあるのはV・S・ナイポールJ・M・クッツェーオルハン・パムクの3名だ。これで23名。

 

雪〔新訳版〕 (上) (ハヤカワepi文庫)

雪〔新訳版〕 (上) (ハヤカワepi文庫)

 

 このなかでいちばん好きなのはオルハン・パムクなんだけれども、オルハン・パムクには苦いエピソードがある。昔下北沢で髪を切ったあと、かなりかっこよくなったのでなにかして帰ろうと思って近くにあったトルコ料理屋さんに入った。そこの店主さんはかなり話好きで、僕が飯を食っていると、頼んではいないが勝手に自分のパソコンを取り出してYoutubeの動画を見せながらトルコの文化について長々と講義をはじめた。

 まあそこまでされるとこちらもなにかトルコについて知っていることを話さないとな、と思って、そういえばトルコの作家が好きなんですよ、ノーベル賞も持ってるんですけど、オルハン・パムクっていう……、という話を切り出したところ、さっきまで優しかった店主の態度が変わった。

 「オルハン・パムクはダメ。あんなやつ国中から嫌われている。あいつを好きなトルコ人はいないね」

 話を聞くと、パムクはまあ左派の知識人らしく、クルド人側の立場に立った発言をした結果、トルコのナショナリストからはかなり嫌われているようであった。そのあとは食べ終わってお暇を告げるまでずっと店主の濃密なクルド人disに付き合わされる羽目になってしまった。

 

2010年代
肖像 受賞者 国籍 ジャンル 備考
2010年 Vargas Llosa Madrid 2012.jpg マリオ・バルガス=リョサ ペルーの旗 ペルー 小説 ペルー人初の受賞者
2011年 Transtroemer.jpg トーマス・トランストロンメル  スウェーデン  
2012年 MoYan Hamburg 2008.jpg 莫言 中華人民共和国の旗 中国 小説 華人として2人目の受賞者
中国籍の作家としては初の受賞者
2013年 Alice Munro.jpg アリス・マンロー カナダの旗 カナダ 小説 カナダ人初の受賞者
英語での著作
2014年 Patrick Modiano 6 dec 2014 - 22.jpg パトリック・モディアノ フランスの旗 フランス 小説  
2015年 Swetlana Alexandrowna Alexijewitsch.jpg スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ  ベラルーシ ノンフィクション ベラルーシ人初の受賞者
ジャーナリストとして初の受賞者
ロシア語での著作
2016年 Bob Dylan - Azkena Rock Festival 2010 2.jpg ボブ・ディラン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 シンガーソングライターとして初の受賞者
2017年 Kazuo Ishiguro by Kubik.JPG カズオ・イシグロ イギリスの旗 イギリス 小説 日系人として初の受賞者
2018年 Olga Tokarczuk (2018).jpg オルガ・トカルチュク ポーランドの旗 ポーランド 小説 セクハラ問題(先述)による混乱のため、翌年に2018年の受賞者として決定[21][22]
2019年 Peter-handke.jpg ペーター・ハントケ  オーストリア 小説・戯曲 オーストリア人として2人目の受賞者
2018年の受賞者と同時に発表

 トランストロンメルだけはさすがに「誰…」という感じなのですが、ほかは海外文学ファンにはおなじみの名前。読んだことがあるのはパトリック・モディアノカズオ・イシグロである。

 ボブ・ディランは非常に扱いが難しいのですが、まあアルバムを聞いたことはあるので、カウントに含めることにしたい。

 

RESULTS

1903年 ラビンドラナト・タゴール

1923年 ウィリアム・バトラー・イェイツ

1946年 ヘルマン・ヘッセ

1948年 T・S・エリオット

1950年 バートランド・ラッセル

1954年 アーネスト・ヘミングウェイ

1957年 アルベール・カミュ

1958年 ボリス・L・パステルナーク

1959年 サルヴァトーレ・クァジモド

1968年 川端康成

1980年 チェスワフ・ミウォシュ

1981年 エリアス・カネッティ

1982年 ガブリエル・ガルシア=マルケス

1989年 カミーロ・ホセ・セラ

1990年 オクタビオ・パス

1993年 トニ・モリスン

1994年 大江健三郎

1996年 ヴィスワヴァ・シンボルスカ

1998年 ジョゼ・サラマーゴ

1999年 ギュンター・グラス

2001年 V・S・ナイポール

2003年 J・M・クッツェー

2006年 オルハン・パムク

2014年 パトリック・モディアノ

2016年 ボブ・ディラン

2017年 カズオ・イシグロ

計26名

 

 人生は続くし、ノーベル賞は追加されるペースも早くない。すこしずつこれも増やしていけたらいいですね。