――みなとみらい、僕の未来。
かつて、「ジャンプ!〇〇中」というテレビ番組があり、レギュラーをチュートリアルとオリエンタルラジオ、そして山本裕典が務めていた。いまでもたまにやる「逃走中」を生み出した番組である*1。
それに執筆中という企画があり、レギュラーの面々がお題に沿ってリレー小説を書いていた。その小説の結びの一文をエピグラフに引用した。
というわけでみなとみらいに行きました。横浜はなんどか訪れたことはあるが、みなとみらいあたりは一回もない。とりあえず横浜美術館で「オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」という展示を見てきた。
アンリ・マティスが好きでした。昔沖縄の新都心の美術館に印象派展が来たことがあって、学校を休んで見に行ったんだけど、その時いちばん好きだった絵もマティスだったような気がする。確信は持てないけれど、朱色と赤の中間みたいな特徴的な赤い色で、質感なく塗りつぶすみたいに塗られていた赤い椅子をずっと覚えていて、いま考えるときっとマティスだったんだろうと思う。
あとコレクションも魅力的で、とくにジャスパー・ジョーンズの的のやつが見れたのが良かった。
そのあとは適当に歩いた。あれは赤レンガ倉庫。はじめて訪れたがとくに何をする場所なのかよくわからなかったのでわきを歩いてスルーした。
するとこういう場所を見つけたのでちょっと気を引かれてはいってみた。なかにはまじの北朝鮮工作船が展示されていた。建物がまるまる死んだ船を展示する一つの部屋で、さまざまな角度から船の外側や内側を覗くことができるようになっていた。船はいたるところ錆びついていて、壁には弾痕。船内にあったものは通信機器から股引までさらし者にするようにガラスケースに入れられていて異様な緊張感があった。しかも展示室のスピーカーからは交戦時の音声が聞こえてくる。
そのあとはJICAの横浜国際センターへ。コーヒーや日系移民をテーマとしたこれまた面白く密度のある展示をやっていた。
汽車道の端で欄干に登ってみせて
— soudai (@kageboushi99m2) October 1, 2019
果てもない夢の話、こんな結末じゃなかったはずよ pic.twitter.com/WckBpIvRBT
汽車道にも行った。というか「汽車道」って固有名詞だったんですね。ってことはリリーの男が登った欄干ってこの辺だったのか……、とかを感じ入りながら歩いてしまった。
やっぱり世のなかには、行かないとわからないことがたくさんあるんだなあ。
*1:厳密にはこの番組のさらに前身にあたる「クロノス」だが。