短歌 70

 

「もう寝る」と誰かが言えばすぐ切れる寝落ち通話の光るつながり

 

 

いろいろなことらがうまく行きはじめ膝枕すればあなたは眠る

 

 

校庭のすみにトーテムポール ああ席替えで君は死者の隣へ

 

 

石鹸やシャンプーボトルに長い髪張りついて 風呂は憂鬱なもの

 

 

ドーナツでも買いに行くかと家を出るありあまる愛がやってくるまで

 

 

長袖の腕を結んで死を思う 車はぼくときみの祈禱所