短歌 63

 

あの銘菓また持ち帰るひと月にお別れ会が5回もなんて

 

 

重要なアルファベットからひとつずつ憶えて夜は乾いたギリシア

 

 

カニとウニどちらが好きかと尋ねられ誕生日までの暖かな春

 

 

水虫のようにしぶとい君がこの家の床に残していった愛は

 

 

月が出ていて助かった いつか行く地獄もこんな明るさだろう

 

 

詳しくなり 詳しくなったことを忘れ とても不要な一年だった