百科事典としての質を備えたページを読むのも良いのだけど、そこに絶妙に達してなかったり、達そうとする意気込みは見えるんだけどその意気込みが自意識となって透けてて、ちょっと香ばしい文体になっているページを見つけたときのほうが楽しい。
香ばしい、というのは悪い言葉ですが、ここではぜんぜんいい意味で使っています。やっぱり、実務で使うのではなく趣味で読むだけならなにかが香ってるくらいがちょうどいい。
それほどしばしば見られない動物を研究するのは科学者にとって容易ではない。さらに動物の適応環境と人間の生きる環境が違えばなおさらである。
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海中でクジラが発する信号を捉えるのも非常に難しい。クジラは追跡可能な足跡も残さないし、食事に関して重要な手がかりとなる糞を残すこともない。クジラ学の多くの仕事は、座り、待ち、注意を払うことに費やされる。
クジラ学 - 660pt!
(筆が乗っているのを感じる)
参加者の中には、本来登山には必要ない大量の資材を持ち込んだり、不適切な性交渉を行う参加者がおり、ガイドやシェルパの負担は小さくなかった。
難波は日本人女性で2人目のエベレスト登頂者、及び七大陸最高峰の登頂者となった。しかし、登頂を果たした時間は、引き返す約束の14時を1時間過ぎた15時であった。引き返す約束の14時を過ぎて、ロブ・ホールとともに16時30分に登頂したメンバーも2名いたが、2名とも遭難死している。
一方、ロブ・ホールは頂上が前に見えていても14時になったら引き返すように参加者に強く指導していた。
朝方、台湾の高銘和登山チームのシェルパが探索に出発し、顔、指、かかとに酷い凍傷を負っていた高銘和と、ロープで繋がれたスコット・フィッシャーを発見した。フィッシャーは虫の息だったため、台湾隊は高銘和を救助して去った。その後フィッシャーは力尽きたと推測される。
1996年のエベレスト大量遭難 - 2100pt!
(天災やアクシデントと戦う系のページはどれも面白いけれど、そこに「人間のどうしようもない無邪気さ、愚かさ」みたいな要素が加わってくると、個人的にはかなりそそるものになる)
1987年(昭和62年)4月1日にJRグループ各社へ分割・民営化された日本国有鉄道(国鉄)から名称を変更して発足した、国鉄の固定資産売却益による長期債務償還や余剰人員の再就職促進などを行うことを目的とする特殊法人である。
当初引き継いだ残り16兆円の長期債務はが返済できないまま、金利負担や上述の売却が差し止められた土地の管理費が加わっておよそ25兆円に膨れ上がり、返済の見込みが立たないまま1998年(平成10年)10月22日に日本国有鉄道清算事業団法の廃止と共に解散した。
解散後、(…)債務(24兆98億円)については「日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律」によって、日本国政府の一般会計に組み入れられ、国自体の債務とされるとともに、「たばこ特別税」の形で組み入れられた。
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(個人的に失敗を繰り返しているときにこういう、国がめちゃくちゃな大失敗をして全員に迷惑をかけまくっているのを見ると、「俺のミスはここまでじゃなくてよかった」と前向きな気分になれる)